PR

問題

問41 プロジェクト立上げ時に、プロジェクトの活動を総合的に管理及び調整するために、プロジェクト憲章を定める。プロジェクト憲章に盛り込むべき内容として、適切なものはどれか。

ア スケジュール
イ 体制
ウ 品質マネジメント計画
エ プロジェクトの目的

マネジメント系>プロジェクトマネジメント>プロジェクトマネジメント>プロジェクトマネジメント

解説と解答

 プロジェクト憲章とは、プロジェクトの立上げ時において作成される公式な文書であり、ステークホルダ(利害関係者)に対してプロジェクトの存在を正式に認可してもらうことを目的としたものです。プロジェクトマネジメントの標準的なフレームワークであるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)では、立ち上げプロセスにおける統合マネジメントで作成する文書とされています。

 プロジェクト憲章は、プロジェクトに関する基本事項を文書化したものであり、次のような内容が盛り込まれます。

・顧客やステークホルダからの要求事項
・プロジェクトの目的
・プロジェクトの成果物
・スケジュールの概要
・予算の概要
・主要ステークホルダの関与とその影響
・プロジェクトを遂行する上での前提条件・制約条件

 プロジェクトの活動を総合的に管理・調整するためには、プロジェクトの存在が正式にステークホルダに認められなければなりません。そのために作成されるのがプロジェクト憲章であり、正式な承認を得た後にステークホルダに公表されます。また、プロジェクト憲章が発行されるのを受けてプロジェクトが正式に発足し、プロジェクトマネージャが任命されます。

 したがって、正解はエです。

 そのほかの選択肢に関する説明は、次のとおりです。

 選択肢アについて。プロジェクト憲章は、プロジェクトが正式に発足する前に作成されます。そのため、スケジュールの概要については決定していますが、スケジュールそのものを作成できる段階ではありません。なお、スケジュールについては計画プロセスにおけるタイムマネジメントで作成されます。

 選択肢イについて。体制(プロジェクト体制)は、計画プロセスにおける人的資源マネジメントで策定されます。

 選択肢ウについて。品質マネジメント計画は、計画プロセスにおける品質マネジメントで策定されます。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て、1998年より現職。保持する資格は、プロジェクトマネージャ、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、同(情報セキュリティ)、基本情報技術者など多数。著書に「3週間完全マスター ITパスポート 2010年版」などがある。