問題
問44 ソフトウェア開発における仕様変更の手順の要素を“変更内容の評価”、“変更の指示”、“変更の反映”、“変更要求の受付”としたとき、手順のAに該当するものはどれか。

ア 変更内容の評価
イ 変更の指示
ウ 変更の反映
エ 変更要求の受付
解説と解答
ソフトウエアの開発過程では、顧客や利用部門による仕様変更、ヒアリングや調査の不足、要件定義の見落とし、法制度やガイドラインの変更など、さまざまな理由によって、開発中のソフトウエアに変更要求が出されます。プロジェクトマネジメントでは、これらの変更要求が担当者の判断で無秩序に適用されるのを防ぐため、すべての変更要求を一元的に管理することが重要です。プロジェクトマネジメントの標準的なフレームワークであるPMBOKでは、監視コントロールプロセス群の統合マネジメントにおいて、プロジェクトの変更を統括的に管理するためのプロセスである統合変更管理プロセスを定義しています。
ソフトウエア開発における仕様変更の管理では、変更要求の受付窓口を一本化すること、変更要求の受付から実施に至るプロセスを明確にしておくこと、関係者の合意に基づいて変更要求の承認・却下の判断がされること、などがポイントになります。
ソフトウエア開発における仕様変更の一般的な手順は、次のようになります。
1.変更要求の受け付け
仕様変更の概要、変更が必要な理由、変更による影響、変更を行わない場合の影響などを記入した変更要求書(RFC:Request for Change)を作成し、変更管理の担当部署(担当者)に提出します。担当部署では、受け付けた変更要求書を台帳に登録します。
2.変更内容の評価
変更要求書(RFC)の内容について、変更の理由や変更に伴う影響を検証し、インパクトや優先度の評価を行って、変更要求の承認または却下を決定します。
3.変更の指示
承認された変更要求については、それぞれの優先度に基づき、いつ、どの順番で、どのような変更作業を実施するかを計画し、関係者に連絡・指示します。
4.変更の反映
変更の指示を受けた担当部署や担当チームでは、指示に従ってソフトウエアの仕様変更を行い、変更を反映させます。
以上より、手順のAに該当するのは、2番目に該当する「変更内容の評価」です。
したがって正解は、選択肢アです。
アプリケーションデザイナー 代表取締役