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問題

問48 システム開発における、エラーを検出した時期とその不具合の修正にかかる対応費用の関係を最も適切に示したグラフはどれか。

マネジメント系>開発技術>システム開発技術>システム開発技術

解説と解答

 システム開発において、要件定義や設計の段階(上流工程)でエラーが検出された場合、修復する範囲が限定されているので修正にかかる費用もそれほど多くかかりません。一方、製造やテストの段階(下流工程)でエラーが検出された場合、修復のための作業が広範囲に及ぶため、その修正には多くのコストがかかります。

 特に運用段階において根本的なエラーが検出された場合、システムを一から作り直すのと同じ程度の修復コストがかかってしまうこともあります。そのため、開発プロセスのできるだけ早い時期に、できるだけ多くのエラーを検出し、下流工程にエラーが残らないように配慮します。

 以上のように、システム開発では、エラーを検出した時期が遅くなるほど、その不具合の修正にかかる対応費用は増加していきます。また、増加のペースも比例的(直線的)に増えるのではなく、製造工程を過ぎた段階から指数的に増えます。このような関係を、縦軸に対応費用、横軸にエラー検出時期をとってグラフで表すと、全体に右肩上がりで、かつ、製造工程を過ぎた段階から傾きが急になるようにプロットされます。

 選択肢の中からこれに一致するグラフを選べばよく、選択肢アが該当します。

 よって正解は、選択肢アです。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て、1998年より現職。保持する資格は、プロジェクトマネージャ、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、同(情報セキュリティ)、基本情報技術者など多数。著書に「3週間完全マスター ITパスポート 2010年版」などがある。