問題
問52 システム開発を外部に委託する場合に行う管理方法として、適切なものはどれか。
ア 委託形態にかかわらず、開発作業の管理責任やリスクはすべて発注元が負うので、発注元が委託先の従業員に直接指示を出す。
イ 一括請負であっても、開発プロジェクトのほかの一部を発注元が分担している場合は、発注元が委託先の従業員に直接指示を出す。
ウ 一括請負の場合は、成果物を納入するまでの過程については、すべて委託先の責任とリスクで作業を実施するので、発注元が委託先の従業員に直接指示は出さない。
エ 人材派遣を受け入れた場合は、派遣者が担当する開発作業のリスクは、派遣元の会社が負うので、発注元が派遣者に直接指示は出さない。
解説と解答
システム開発を外部に委託する方法には、請負契約に基づく方法と、労働者派遣契約に基づく方法があります。この二つの契約は似ている点も多いのですが、開発したソフトウエアの著作権や瑕疵担保責任、開発担当者に対する指揮命令権などの扱いが異なります。それぞれの選択肢の記述を確認してみましょう。
選択肢アについて。開発作業の管理責任やリスクは、労働者派遣契約の場合は発注元(派遣先企業)が負いますが、請負契約の場合は委託先(請負業者)が負います。また、労働者派遣契約では発注元(派遣先企業)が委託先(派遣元企業)の従業員に直接指示を出せますが、請負契約では発注元(注文主)が委託先(請負業者)の従業員に直接指示を出すことはできません。
選択肢イについて。一括請負の場合、開発プロジェクトのほかの一部を発注元が分担しているかどうかにかかわらず、発注元(注文主)が委託先(請負業者)の従業員に直接指示を出すことはできません。
選択肢ウが適切な記述です。一括請負の場合、成果物を納入するまでの過程については、すべて委託先(請負業者)のリスクで作業を実施します。また、発注元(注文主)が委託先(請負業者)の従業員に直接指示を出すことはできません。
選択肢エについて。人材派遣(労働者派遣)を受け入れた場合、派遣者が担当する開発作業のリスクは、発注元(派遣先の会社)が負うので、発注元では派遣者に直接指示を出すことができます。
以上より正解は、選択肢ウです。
アプリケーションデザイナー 代表取締役