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問題

問58 インターネットなどのネットワークを介して、自分自身の複製を電子メールに添付して勝手に送信したり、ネットワーク上のほかのコンピュータに自分自身をコピーしたりして、自己増殖するプログラムはどれか。

ア クッキー
イ スパイウェア
ウ トロイの木馬
エ ワーム

テクノロジ系>技術要素>セキュリティ>情報セキュリティ

解説と解答

 ワーム(worm)は、インターネットなどのネットワークで接続されたコンピュータ間を移動しながら、自己増殖するプログラムです。自分自身の複製を電子メールに添付して勝手に送信したり、ネットワーク上のほかのコンピュータに自分自身をコピーしたりします。

 通常のコンピュータウイルスはファイルなどに潜伏し感染しますが、ワームの場合はネットワーク経由で自分自身を複製しながら増殖する点に特徴があります。ちなみに、「ワーム」とは、毛虫やミミズなどの類を意味する単語です。感染・増殖する様子が似ていることから、この名前が付けられています。

 以上より正解は、選択肢エです。

 そのほかの選択肢についても見ておきましょう。

 選択肢アのクッキー(cookie)は、Webサーバーに対してアクセスするクライアントPCを識別するための仕組みです。クッキーには利用者IDやメールアドレスなどの識別情報、アクセス履歴情報などが含まれおり、Webサーバー側で生成され、ブラウザに送られます。

 選択肢イのスパイウエア(spy-ware)は、スパイ(spy)とソフトウエア(software)を意味するwareを足し合わせた造語です。本人に気付かれないようにユーザーのクライアントPCにインストールされ、密かにコンピュータ利用者のIPアドレスやWebの閲覧履歴などの個人情報を収集し、外部の特定サイトに送信するプログラムです。

 選択肢ウのトロイの木馬(Trojan horse)は、一見すると正常な動作を行っているように装いながら、利用者に分からないようにパスワードや重要な情報を外部に流出させたり、ネットワークを通じて外部からコンピュータを操ったりするなど、悪意のある行動を実行するように改変されたプログラムです。

 なお、選択肢イのスパイウエア、選択肢ウのトロイの木馬、選択肢エのワームのような、利用者にとって有害なプログラムの総称のことをマルウエア(mal-ware、悪意のあるソフトウエア)と言います。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て、1998年より現職。保持する資格は、プロジェクトマネージャ、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、同(情報セキュリティ)、基本情報技術者など多数。著書に「3週間完全マスター ITパスポート 2010年版」などがある。