問題
問47 オブジェクト指向設計の特徴はどれか。
ア オブジェクト指向設計によってプログラムの再利用性や生産性が向上することはない。
イ オブジェクトに外部からメッセージを送れば機能するので、利用に際してその内部構造や動作原理の詳細を知る必要はない。
ウ 個々のオブジェクトは細分化して設計するので、大規模なソフトウェア開発には使用されない。
エ プログラムは処理手順に従って設計され、データの集合はできるだけプログラムと関連付けない。
解説と解答
オブジェクト指向設計とは、システムにおいて操作や処理の対象となるものをオブジェクト(もの)と見なし、オブジェクト間の関係やオブジェクト同士のやり取りを定義することによってシステム全体を設計し、開発を推進する方法です。オブジェクト指向設計では、データとメソッド(手続き)を一体化したものをオブジェクトとして定義し、外部にはオブジェクトの操作方法(インタフェース)だけを公開します。オブジェクトを利用する場合には、公開されている操作方法に従ってメッセージを送ればよいので、オブジェクトの内部構造や動作原理の詳細を知る必要はありません。
したがって、正解はイです。
そのほかの選択肢に関する説明は、次のとおりです。
選択肢アについて。オブジェクト指向設計では、既存のオブジェクトを再利用して新しいオブジェクトを生成することができます。また、オブジェクトを再利用するとき、新しいオブジェクトでは、元のオブジェクトのデータやメソッドも利用できるので、プログラムの生産性を向上することができます。
選択肢ウについて。個々のオブジェクトを設計するときには、システム化の対象となるもののうち特徴的な部分のみに着目し、それ以外の部分を意識的に無視することによって、システム全体を単純化して表現します。これを抽象化といい、オブジェクト指向設計において基本となる考え方です。また、抽象化の考え方は大規模なソフトウエア開発にも適しており、オブジェクト指向設計を使用した大規模開発も行われています。
選択肢エについて。オブジェクト指向設計では、処理手順に従ってプログラムを設計することはありません。また、同じ性質をもつデータの集合をクラスとして捉え、このクラスを利用してプログラムを作成します。
アプリケーションデザイナー 代表取締役