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中問B

 商品の販売データの分析に関する次の記述を読んで、問93~96に答えよ。

 N社の営業部では、今年度の販売戦略立案に向けて、前年度の商品売上実績を売上総利益率、商品回転率及び売上構成比率の視点で分析することにした。ここで、商品回転率は、一定期間の売上高を平均在庫高で割った値である。
 分析には表計算ソフトを用いることとし、前年度の売上に関する資料を基に図のようなワークシートを作成した。ここで、列I、列Jの計算式は、セルA2~H11の範囲を、列Bをキーとして降順に整列した後に入力する。

問題

問96 今年度の販売戦略立案に当たり、売上構成比率を売上高上位の商品から順に累計した売上構成比率累計が70%以内で、商品回転率が10回以下の商品を抽出し、商品回転率の改善を図る重点商品としたい。対象となる商品は何品目あるか。

ア 1
イ 2
ウ 3
エ 4

ストラテジ系>企業と法務>企業活動>OR・IE

解説と解答

 図の商品別販売分析ワークシートの商品のうち、次の二つの条件を同時に満たす商品が、重点商品の対象となります。

(1)売上構成比率を売上高上位の商品から順に累計した売上構成比率累計が70%以内である。
(2)商品回転率が10回以下である。

   まず、(1)の条件を満たす商品を抽出します。

 (1)の条件を満たす商品とは、問95においてランクAに該当する商品です。ここでは、図の商品別販売分析ワークシートの商品から、売上高の多い順にピックアップしながら売上構成比率累計を計算し、その値が70%以内のものだけを抽出します。

・売上高1位:商品え、売上構成比率=28.8%、
       売上構成比率累計=28.8%
・売上高2位:商品う、売上構成比率=22.5%、
       売上構成比率累計=28.8%+22.5%=51.3%
・売上高3位:商品あ、売上構成比率=14.8%、
       売上構成比率累計=51.3%+14.8%=66.1%
・売上高4位:商品こ、売上構成比率=10.8%、
       売上構成比率累計=66.1%+10.8%=76.9%

 ここでは、売上構成比率累計が70%以内の商品を抽出するので、売上高3位までの商品(商品え、商品う、商品あ)が該当します。

 次に、(1)の条件を満たす商品のうち、(2)の条件を満たす商品を抽出します。

商品え:商品回転率=9.2回 (2)の条件を満たす
商品う:商品回転率=12.0回 (2)の条件を満たさない
商品あ:商品回転率=14.4回 (2)の条件を満たさない

 以上より、(1)と(2)の条件を同時に満たす商品は“商品え”の1品目だけです。

 従って正解は、選択肢アです。

■変更履歴
「解説と解答」で「商品う」の売上構成比率累計を28.8%+25.5%=51.3%としていましたが、正しくは、28.8%+22.5%=51.3%です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/04/16 15:40]
小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て、1998年より現職。保持する資格は、プロジェクトマネージャ、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、同(情報セキュリティ)、基本情報技術者など多数。著書に「3週間完全マスター ITパスポート 2010年版」などがある。