中問C
PC関連機器の販売管理業務に関する次の記述を読んで、問97 ~ 100に答えよ。
I社は、企業に対してPC関連機器の販売を行っており、販売管理業務の情報をデータベースによって管理している。図1に示すデータベースとデータベース管理システムの印刷機能を使って、販売時に図2の請求書を発行する。
各商品の販売単価は適宜変更され、新たな販売単価とその更新日時が販売単価表の該当レコードに上書きされる。また、取引を行う企業(以下、取引先という)の担当者は原則1人であるが、取引先によっては部署ごとに1人存在することがある。取引先コードは、取引先ごとに採番する。

問題
問99 図2の請求書を発行するのに図1の4種類の表を参照する必要がある。1枚の請求書を発行するとき、4種類のレコードのそれぞれを参照する回数の大小関係を示したものはどれか。なお、請求書の発行作業の時点で、取引先コード、名前、部署名、購入した商品ごとの商品コードと数量が分かっており、これらの値を使って各表を参照する。参照では、主キーによって一つのレコードを取り出す操作を1回と数える。また、“商品表>販売単価表”という記述は、商品表の方が販売単価表より表の参照回数が多いことを示している。
ア 販売単価表=商品表=取引先担当者表=取引先表
イ 販売単価表=商品表≧取引先担当者表=取引先表
ウ 販売単価表≧商品表≧取引先担当者表=取引先表
エ 販売単価表≧商品表≧取引先担当者表≧取引先表
解説と解答
図2の請求書の様式を参照すると、1枚の請求書に対して、1回だけ印刷される項目と、複数回印刷される項目があります。表の参照回数を比較するためには、これらを分けて考える必要があります。また、請求書の発行作業の時点で取引先コード、名前、部署名、購入した商品ごとの商品コードと数量が分かっていることにも留意しておきましょう。
〔1回だけ印刷される項目〕
1枚の請求書に対して、1回だけ印刷される項目には、取引先名、部署名、役職、名前、所在地、電話番号があります。これらの項目は、すべて取引先表と取引先担当者表に含まれており、次のように整理できます。
・取引先表の項目:取引先名
・取引先担当者表の項目:部署名、役職、名前、所在地、電話番号
取引先コード、名前、部署名は分かっているので、表を参照して値を得る必要があるのは、取引先名、役職、所在地、電話番号です。
●取引先名
取引先表の主キーである「取引先コード」によって参照し、一つのレコードを取り出します。1枚の請求書を発行するとき、参照は1回だけ行われます。
●役職、所在地、電話番号
取引先担当者表の主キーである「取引先コード、部署名」によって参照し、一つのレコードを取り出します。1枚の請求書を発行するとき、表の参照は1回だけ行われます。
従って、1枚の請求書を発行するとき、取引先表、取引先担当者表の参照をそれぞれ1回ずつ行うので、参照する回数の大小関係は、
取引先担当者表=取引先表=1
になります。
〔複数回印刷される項目〕
1枚の請求書に対して、複数回印刷される項目には、商品コード、商品名、数量、単価、金額があります。このうち、金額は、計算で求められるので除外します。また、購入した商品ごとの商品コードと数量は分かっているので、この二つも除外します。残りの項目は、すべて商品表と販売単価表に含まれており、次のように整理できます。
・商品表の項目:商品名
・販売単価表の項目:単価
●商品名
商品表の主キーである「商品コード」によって参照し、一つのレコードを取り出します。1枚の請求書を発行するとき、明細行がN行ある場合、参照はN回行われます。
●単価
販売単価表の主キーである「商品コード」を使って参照し、一つのレコードを取り出します。1枚の請求書を発行するとき、明細行がN行ある場合、参照はN回行われます。
したがって、1枚の請求書を発行するとき、明細行がN行ある場合、商品表、販売単価表の参照をそれぞれN回ずつ行うので、参照する回数の大小関係は、販売単価表=商品表=Nになります。
以上より、図1の4種類の表には、
販売単価表:商品表:取引先担当者表:取引先表=N:N:1:1
という関係があることが分かります。よって、参照する回数の大小関係は、
販売単価表=商品表≧取引先担当者表=取引先表
になります。
従って解答は、選択肢イです。
アプリケーションデザイナー 代表取締役