問題
問86 デュアルシステムに関する記述として、適切なものはどれか。
ア 1台のコンピュータに複数のマイクロプロセッサを搭載し、並列処理ができるシステムのことである。
イ 2系統のコンピュータが、互いの処理結果を照合しながら同一処理を行うシステムのことである。
ウ 障害時に、予備のコンピュータに切り替えて処理を継続するシステムのことである。
エ 複数のコンピュータを直列に接続して、機能を分担するシステムのことである。
解説と解答
デュアルシステム(dual system)は、同じ構成のコンピュータを2系統用意し、一定時間ごとに互いの処理結果を比較・照合(クロスチェック)しながら同一処理を行うシステムです。どちらかの系統に障害が発生した場合には、その系統を切り離し、残りの系統で中断することなく処理を続行します。まったく同じ処理を2系統のコンピュータに行わせるので、冗長性が高く、運用コストもかかりますが、高い信頼性を確保できます。

従って正解は、選択肢イです。
そのほかの選択肢に関する説明は、次のとおりです。
選択肢アの記述にある「1台のコンピュータに複数のマイクロプロセッサを搭載しているシステム」のことをマルチプロセッサシステム(multiprocessor system)と言います。OSやアプリケーションと連携しながら、複数のプロセッサで並列処理を行うので、システムの処理能力と信頼性を高めることができます。
選択肢ウの記述にある「障害時に、予備のコンピュータに切り替えて処理を継続するシステム」のことをデュプレックスシステム(duplex system)と言います。2系統のコンピュータを用意しておく点でデュアルシステムと似ていますが、デュプレックスシステムでは一方を現用系として本稼働させ、もう一方を待機系として現用系の障害に備えて待機させておく点が異なります。
選択肢エの記述にある「複数のコンピュータを直列に接続して、機能を分担するシステム」のことをタンデムシステム(tandem system)と言います。1台のコンピュータにすべての機能を集中させるのではなく、複数のコンピュータに機能を分担させることにより、処理の負荷を分散させて処理能力を向上させることを目的としています。
アプリケーションデザイナー 代表取締役