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 IT部門は、経営者が打ち出すグローバル化やM&Aといった施策を、自社のITシステムが適切にサポートできるように備える必要がある。経営者や利用部門は、ITによる課題達成に期待をかける一方で、競合より遅れたシステム機能や、減らないITコスト、開発の長期化、システム障害といった問題の解決を迫っている。2010年にIT部門は、マネジメントを全体的に見直す必要がある。

 現在の経済状況が続く中で、日本企業が成長を目指すには、自社の経営パラダイムを大きく変えることが必要になる。1987年に起きたブラックマンデーの時代に出版された『経営革命』では、従来の経営パラダイムを変えられた企業が次の時代に繁栄すると言われ、実際にその通りになった。つまり、今後の経済環境で成長していくために企業は、これまでの経営の軸を変えなければならない。

 具体的には、次の5項目を中心に、ITマネジメントを全体的に見直すべきである。

(1)IT戦略の策定:ITの課題を解決するための要になるのが、IT戦略とそれを実現するための計画策定だ。ガートナーでは、IT戦略の主要な要素には、三つの側面があると考える。経営者や利用部門からのITに対する「需要」、決定された計画を現実の物とするための「コントロール」、ITに対する需要に応えるための「供給」だ。これまで「供給」の側面だけのIT戦略を立てていた企業は、IT戦略実現の資金を経営者から獲得できなくなるリスクに直面している。

(2)IT部門の組織と機能:経営者の施策に迅速に応えられる体制への変革が必要である。そのためには、ITに関わる色々な機能を、具体的な組織としての利用部門、IT部門、ITグループ会社、アウトソーサーのどこが分担するのか、また各部門間の報告・承認の関係をどうするのかを見直す。

(3)IT投資の管理:利用部門から上がってきたIT投資計画について、適切な事前評価と事後評価の仕組みを作り、PDCAのサイクルを回す必要がある。でなければ、経営者や利用部門がIT投資の効果に納得できず、次のIT投資には疑問を呈するといった負の連鎖に入るリスクがある。事後評価を行っていない企業は、これを実施することでITコストの最適化にも役立てられる。

(4)ITコストの最適化:リーマンショック後のIT部門の大きな課題の一つは、ITコストの削減だった。これに対して、ガートナーは、4レベルのコスト最適化を提言する。ITコストの最適化では、IT費用の低減にだけ着目するのではなく、IT投資の効果にも着目する。

(5)戦略的なテクノロジ:経営者や利用部門から新しいシステムの提供を要求された時に、関連する自社のITインフラの複雑性や多様性が、短期間での実現に対する大きな壁になる。その変化が加速している新しい技術や機能、サービスを、自社のエンタプライズアーキテクチャに、ライフサイクルの視点で取り込むことがますます必要になる。

 以下では、これら五つの項目について、各分野のアナリストが詳細を解説する。

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