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 ガートナーでは、今後のユーザー企業のソーシング戦略に大きな影響を与える要素として「技術進化」「経営における『不確実』『不連続』の常態化」「グローバリゼーションの加速」の3点に注目している。2010年は、こうした新しい要素の影響とその変化を見据えてソーシング戦略を見直し、最適なソーシングのあり方を確立するための重要な年と位置づけられる。そしてIT市場は景気後退期の中で静止しているように見えるが、成長路線への回帰に向かって動き出している。

 ソーシング戦略を考える上で、対応を検討すべきテクノロジやトレンドは多々ある。その中で、「グローバルソーシング」と「ベンダーマネジメント」は2010年のポイントとして強調したい。前者は多様なスキルセットやサービスへのアクセスを可能にするもの。後者はアウトソーシングにおけるベンダーのパフォーマンスを最大化するものだ。いずれもユーザー企業にとって、効果の高いソーシングを実現する上で欠かせない。

 企業活動だけでなく人材、物理的リソース、サービスなど様々な分野においてグローバリゼーションが進んでいる。ソーシングもまたグローバルという視点をもって臨むことで選択肢を広げられる。

 グローバリゼーションを前提にすると、「国内完結型」から「グローバル最適志向型」まで6種類のアウトソーシングモデルを描ける。長期的には、ユーザーの所在地やIT拠点を問わず、国内リソースと海外リソースを組み合わせるモデルである「グローバルデリバリーモデル(GDM)型」と「グローバル最適志向型」に収斂されていくとガートナーは予測している。

 要求されるスキルやマネジメント能力は高まる。だが、グローバルソーシングを推進する体制を整えることで、国内も含めたアウトソーシング全般の力を向上させていけるだろう。

 とはいえ、まず国内における既存ベンダーのサービスに悩む企業は多い。特に、アウトソーシングがブームとなった2000年代初頭から約10年を経た今、長期間にわたる契約が枷となり、経営戦略の変更に臨機応変に対応できず不満を持つユーザー企業が散見される。

 しかし、これまでのように契約で縛る方法では思うような成果を出せない。そのため、こうした問題を解決し既存のベンダーのパフォーマンスを最大化するために効果的な仕組みが求められ始めている。それが、ベンダーマネジメントだ。

 ベンダーマネジメントでは、「IT部門の立ち位置」「ベンダー選定・調達」「契約交渉」「パフォーマンスの可視化と評価」「ベンダーの自律性」の五つの視点から実効力を高めていける。これらの視点に基づいて施策の見直しと導入を進めることで、アウトソーシングの効果を高められる。

 以下では、ソーシングとベンダーマネジメントについての重要項目について、専門アナリストが解説する。