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 事業のグローバル化,新興国への成長市場のシフトといった現象に伴い,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)の海外事業部のユーザー企業にも変化が起こっているという。グローバルに展開する企業の多くがアジア太平洋地域を代表するヘッド・オフィスをシンガポールや香港,オーストラリアなどに置き,日本には拠点すらないケースが珍しくなくなったというのだ。

 グローバル企業は世界中の顧客に対応するために,24時間365日体制でサポートや開発業務を遂行していく必要がある。北米,欧州,アジアの3拠点体制で太陽を追うように業務を引き継ぐには,英語を共通語として使える人材を確保できる地域にヘッド・オフィスを置くのが効率的というわけだ。北米地域とアジア地域を結ぶ国際ネットワークを構築し,太平洋を横断する物理的な回線が日本を通っていても,トラフィックは通過するだけという“ジャパン・パッシング”も起こっているという。

 NTTコムもこのようなユーザーの変化に対応し,アジア各国に現地法人を開設。現地採用のスタッフも増やしている。こうした動きは今後,NTTコム社内のマネジメントにも影響を及ぼしそうだ。例えば現地法人の社長職は“落下傘”式に日本人社員が出向くのではなく,現地に人脈を持つ現地スタッフを登用する例が増えるだろう。人材の流動性が高い地域では優秀なエンジニアを確保するために,日本の同レベルの社員よりも良い待遇を用意する必要性にも迫られる。

 ICT産業の競争力強化は政策的にも重要な議題に持ち上がっているが,日本方式を世界に持ち出す発想ではなく,世界の標準に経営スタイルを合わせていくことの重要性が高まっていきそうだ。