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ラリー・ストーン 英BTグループ パブリック&ガバメント・アフェアーズ部門
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 日本では,これからの電気通信を含むICT産業をどうするのか議論していると聞く。ここ欧州でも2010年以降の電気通信市場に向けた重要な議論が進んでいる。

 欧州議会は2009年11月24日,「電気通信規則に関する包括的改革案」(the Electronic Communications Framework Package)を承認した。これは規制のフレームワークを定めた「承認指令」(authorizations directive)であり,きわめて重要な改革案である。

 私はこの改革案が,今後のEU電気通信の将来を左右する法制度になると思っている。今後各国で,この改革案に基づく法令が恐らく2011年中に整備されるだろう。この案から,重要と思われる原則を見てみよう。

 まず「各国の規制当局は,より高度なインフラを構築するために,効果的な投資とイノベーションを促進すべき」とある。インフラへのアクセス開放義務は,インフラに投資する組織のリスクを伴うが,これは政府が適切な対応策を取ることで回避できる。

 具体的には,投資を実行する組織とインフラへのアクセスを希望する組織の間でリスクを分散させる施策を進める。なお,インフラのアクセス部分の機能分離は,今回のフレームワークで最終的に採用すべき規制制度になる可能性が高い。

 さらに全欧州を担当する通信規制機関の「BEREC」(The Body of European Regulators of Electronic Communications)を2010年の早々に設立する。EU27カ国の規制機関の一貫性のある決定を管理し,併せて最善策を推進すべきとある。

 周波数政策については,加盟国の間でまだ議論がある。しかし今回の改革案のなかに,類似のサービスを提供するための技術は同じでなくてもよいという「技術の中立性」と,同一の周波数帯の中でサービスが違ってもよいという「サービスの中立性」,および周波数の販売などの項目が付け加わった。これらはダイナミックで柔軟な競争を促進するだろう。

欧州委員会次期キーパーソン固まる

 2010年以降の欧州委員会の体制も,ここに来て固まりつつある。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は2009年11月27日,2010年から2014年の期間を担当する次期欧州委員の候補を発表した。

 2010年1月の欧州議会の承認を経て正式決定になるが,その中で「デジタル・アジェンダ」を担当するのがオランダ自由党のネリー・クルース女史だ。同委員会の副委員長も務める。現在は競争政策委員で,効果的な公正競争の原則を推進した実績を持つ。

 クルース委員の役割であるデジタル・アジェンダとは,欧州における次期投資計画の枠組みを決めること。光ファイバ敷設を含めた次世代ブロードバンド・アクセス(NBA)が中心的な議題になる。設備競争とサービス競争を維持しながら,どのように投資を行うか,設計しなければならない。彼女の役割は非常に重要である。

ラリー・ストーン(Larry Stone)
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 先日,欧州議会の会合の後に,フランスのストラスブルグにある「Osaka」(大阪)という日本食レストランに行った。「まいど!」とか「おおきに!」といった私の日本語は通じなかった。しかし「生ビール」という日本語の発音は通じた。なぜだろう。