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 2010年、IT投資動向の潮流が大きく変わりそうだ。各社は先が見えない経済状況を“常態”として受け入れ、IT投資をむやみに増やさずに、業績に直結する情報化を推進しようとしている。

 日経コンピュータと日経BPコンサルティングは、システム利用企業(ユーザー企業)のCIO(最高情報責任者)やシステム部長を対象に四半期に1度「景況・IT投資動向調査」を実施している。最新の調査は2009年11月27日~12月7日に実施し、272社・団体から有効回答を得た。官公庁や公共団体を除いた民間企業250社の集計結果から、IT投資動向の新しい潮流を探った。

3社に2社はIT予算を据え置く

 2010年度のIT予算(開発分野、運用分野の合計。社内人件費含む)は、おおむね2009年度並みになりそうだ。IT予算の増減見通しを聞いたところ、「増減なし」が最も多く34.4%だった。これに「10%未満増加」(15.2%)、「10%未満の減少」(15.2%)を加えると64.8%で、3社に2社がほぼ2009年度並みのIT予算を確保する見通しだ(図1)。増減だけで区別すると、「減らす」が最も多く37.6%。「増減なし」が34.4%、「増やす」が27.6%である。

図1●2010年度のIT予算の増減見通し
図1●2010年度のIT予算の増減見通し
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 2008年秋からの世界同時不況を受け、各社は2009年度のIT予算を一気に絞り込んだ。この状況が続く2010年度、ユーザー企業は景気回復局面を見据えつつ、限られたIT予算を有効活用する方策を考えなければならない。

 IT予算の増減見通しを、開発分野と運用分野それぞれについて聞いたが、傾向はIT予算全体と大きく変わらない。開発分野(システムの再構築や中規模以上の保守・改修も含む)の予算は、「増減なし」が35.2%、「増やす」が26.4%、「減らす」が37.2%だ。運用分野は「増減なし」が44.4%、「増やす」が20.4%、「減らす」が34.4%だった。

「営業/販売」分野への投資を最優先

 限られたIT予算を有効活用するために、各社は2010年度、業績向上に直結する情報化に注力しそうだ。2010年度に特に重視したいIT投資分野を聞いたところ、1位(最重点分野)は顧客開拓や販売戦略立案を支援する「営業/販売」分野だった。回答企業の29.8%が1位に挙げた(図2)。

図2●2010年に特に重視したいIT投資分野(1位から3位までを回答)
図2●2010年に特に重視したいIT投資分野(1位から3位までを回答)
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 これに「経営指標管理(業績情報の分析・共有で意思決定を支援)」(13.2%)、「情報共有(社内外との情報共有を推進、迅速化)」(12.0%)が続く。「経営指標管理」は今回の調査から新たに加えた項目だ。先行きが見通せない経営環境では、メリハリを付けた事業の舵取りが欠かせない。そういった意味で、経営指標管理が重視されているとみられる。

 逆に、業績向上に直結しにくい「人事/給与」分野や「事業継続」分野を重視する企業は少なかった。「営業/販売」(20.8%)に比べて「顧客管理」(7.2%)が少なかったのは、顧客を囲い込む“守り”ではなく、新たに開拓する“攻め”の姿勢の表れといえるだろう。IT投資分野の優先順位1位から3位までの合計では、「営業/販売」(40.8%)、「情報共有」(39.6%)、「セキュリティ」(36.4%)の順だった。

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