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 日経コンピュータと日経BPコンサルティングは、ユーザー企業のCIO(最高情報責任者)やシステム部長を対象に四半期に1度「景況・IT投資動向調査」を実施している。2010年度におけるIT予算の増減見通しを、売上高規模や業種、業績予想別に集計したところ、「増やす」企業と「減らす」企業の二極化が起きていることがわかった。どんな規模、どんな業種であっても、IT予算を「増やす」または「減らす」企業がそれぞれ2~3割存在する。

中堅企業がIT投資に積極的

 売上高規模別に集計した2010年度におけるIT予算の増減見通しを図1に示す。IT予算を2009年度より「増やす」割合が「減らす」割合を上回ったのは、売上高が「300億円以上500億円未満」と「500億円以上1000億円未満」の中堅企業だった。最も積極的だったのは「500億円以上1000億円未満」で、「増やす」(39.4%)が「減らす」(33.4%)を6ポイント上回った。

図1●売上高規模別の2010年度IT予算の増減
図1●売上高規模別の2010年度IT予算*の増減
*:システム開発・運用にかかわる社内人件費や外注費、保守サポート費などすべて含む

 一方、2010年度に縮小予算を組みそうなのは、「300億円未満」の中小企業と「1000億円以上5000億円未満」「5000億円以上」の大企業だ。特に「5000億円以上」の大企業では、「減らす」(61.1%)が「増やす」(11.1%)を50ポイントも上回った。円高や海外市場の低迷を受けているせいか、グローバル企業の比率が高い大企業でIT予算が絞り込まれる見通しだ。国内市場が中心の中堅企業から、2010年度のIT市場が回復する公算が大きい。

流通・サービス業と金融がIT市場をけん引

 業種別でIT予算の増減見通しを集計したところ、「流通・サービス」業だけが唯一、IT予算を「増やす」(30.8%)が「減らす」(28.6%)を上回った(図2)。「金融」業は「増やす」と「減らす」の差はゼロ。「増減なし」が約半数(46.6%)を占める。

図2●業種別の2010年度IT予算の増減
図2●業種別の2010年度IT予算*の増減
*:システム開発・運用にかかわる社内人件費や外注費、保守サポート費などすべて含む

 これらとは対照的に、IT予算の減少幅が最も大きかったのは「情報通信」業だ。約半数の47.0%が「減らす」と回答し、「増やす」(17.7%)を約30ポイントも上回った。「製造」「建設・不動産」も約4割が「減らす」と回答したものの、「増やす」企業も2割以上ある。同じ業種でも積極的にIT予算を増やす企業と減らす企業が分かれ、IT投資の二極化が起きている。

「増収減益」企業の4割強がIT予算を増やす

 2009年度の業績予想別にIT予算の増減を見ると、「増収増益」企業よりも「増収減益」企業の方がIT投資に積極的であることがわかった(図3)。増収減益企業の45.4%が2010年度のIT予算を増やす計画だ。「減らす」(27.2%)を18.2ポイント上回る。

図3●業績予想(2009年度)別の2010年度IT予算の増減
図3●業績予想(2009年度)別の2010年度IT予算*の増減
*:システム開発・運用にかかわる社内人件費や外注費、保守サポート費などすべて含む

 増収減益企業はコスト削減で利益を積み上げている減収増益企業よりも成長余力がある。さらに、ITを活用して業務を自動化したり省力化することで増益に転じる潜在力があるため、積極的にITを活用しようとしていると考えられる。増収増益企業では半数を超える54.8%が、IT予算を据え置く見込みだ。

 減収増益企業では、IT予算を「増やす」(35.9%)割合と「減らす」(37.7%)割合が拮抗した。減収減益ではIT予算を「増やす」企業が21.6%存在する一方で、約半数の46.8%が「減らす」と回答した。