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電子書籍端末を手にする野口氏
電子書籍端末を手にする野口氏
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 米Amazon.com,Inc.と共に米国の電子書籍市場を牽引しているソニー。2009年12月には,3G通信機能を搭載する最新の端末を発売した(Tech-On!関連記事)と同時に,大手メディアと提携し新聞配信も始めた(Tech-On!関連記事)

 同社で電子書籍事業を統轄する米Sony Electronics社 Deputy President,Digital Reading Business Divisionの野口不二夫氏は,2010年1月前半に開催された「2010 International CES」でソニーが実施した報道陣向け会見に登場した。以下は,その様子の一部をまとめたものである。


電子書籍端末「Reader」の最新の販売状況は。

野口氏 非常に好調だ。2009年に,米国の直販店「Sony Style」で最も売れた製品になった。対前年比で4倍の台数を販売した。

 クリスマス・プレゼント用に購入していただいた消費者が多かった。2009年12月25日は,ユーザー登録が殺到し,サーバーが一時的にパンクしてしまった。

どの機種が最も売れているのか。

野口氏 現在,3機種をラインアップしている。2009年8月に発売した廉価版の「Reader Pocket Edition」と,タッチ・パネルを搭載した機種「Reader Touch Edition」。そして,同年12月に発売した無線通信機能を備える「Reader Daily Edition」だ。

 このうち,199米ドルという“マジック・プライス”を実現したReader Pocket Editionが最も売れると思っていた。しかし,実際に最も売れたのは,タッチ・パネルを搭載したReader Touch Editionだった。この機種の売れ行きは,予想を大きく超えるものだった。

今後,タブレット・パソコンやスマートブックなど,電子書籍としても使える汎用的な端末が続々と登場してくる。

野口氏 現状でも,iPhoneやBlackBerry,WindowsやMacを搭載したパソコンなどで電子書籍を読むことができる。電子書籍というアプリケーションに関連する多種多様な端末がある。

 こうした中,電子書籍端末は「読みやすさ」という点に特化して差異化していく。電子ペーパーを使っているのはそのためだ。キーボード・レスであることも重要だと考えている。

 さらに,多種多様なコンテンツを巻き込んだサービスを提供することも重要だ。

電子書籍端末のカラー化については。

野口氏 雑誌や写真集,図鑑など,カラーが求められるコンテンツは存在する。我々も,もちろんカラー化を検討しているが,満足できるレベルのカラー電子ペーパーが,まだ登場していない。カラー化のために液晶パネルを使うという選択肢も否定するわけではないが,主軸としてはカラー電子ペーパーで対応していきたいと考えている。

電子書籍端末向けディスプレイを自社開発する考えは。

野口氏 現行の電子書籍端末に採用している米E Ink Corp.の電子ペーパーは,「ソニー基準」で作ってもらっている。我々とE Ink社で共同開発しているような部分もある。例えば,Reader Daily Editionに搭載する7型ワイドの電子ペーパーは,我々の端末に向けてE Ink社が新たに開発したものだ。

日本での電子書籍事業の展開(再参入)は。

野口氏 現在,米国を含めて8カ国で電子書籍事業を展開している。英語圏でない国についても,それぞれローカルな言語とコンテンツに対応させて取り組んでいる。

 我々は,ある一定の基準をクリアした国から順次,事業を広げている。どれだけフレッシュなコンテンツが手に入るのかなどといった独自の基準だ。それを満たすような状況になれば,日本でも事業を展開するだろう。