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写真●iPad
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 米Appleが米国時間2010年1月27日に発表した新型デバイス「iPad」(写真)をめぐって、ネット上で議論が巻き起こっている。iPadは、スマートフォンとノート・パソコンの中間という位置付けがそのコンセプト。しかしiPhone OSを搭載しており、Mac OS Xのアプリケーションが動作するMacintoshではない。1年以上前からうわさされ、多くが期待していたいわゆる“タブレットPC”ではなかったのだ。期待はずれとの意見も多く、ネットでは発表から1週間以上たった今も混乱が続いている。

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     「iPadは、Web閲覧、メール、写真、ビデオ、音楽、ゲームと、何でもできる機器だが、カメラは備えておらず、複数のアプリケーションを同時に動作できるマルチタスクでもない。Adobe Flashはサポートしておらず、手書き文字機能もない、ストレージ容量は16G~64Gバイトと小さく、拡張性もない」。そう批判するのは米国のIT業界誌Windows IT ProのコラムニストPaul Thurrott氏

     同氏は、機能不足に加え、iPadにはコンセプト上の欠陥があるとも指摘する。「(iPadは)ほかの機器にはできない何かが可能になるという特徴もなく、むしろMicrosoft Officeなど、ネットブックでさえも使えるアプリケーションが利用できない」とし、iPadの可能性をばっさりと否定している。「ただ割高なコンパニオン・デバイスあるいは携帯デバイスがまた1つ登場したということにすぎない。つまり、パソコンからの買い換えという需要を喚起するものでもなく、新境地を開くものでもない。そうした機器の市場とはどういうものか想像できない」(同氏)。

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  •  手厳しい意見だが、このような考えを持つのは同氏だけではない。米InfoWordの記事では「ネットブックの市場を脅かすことになる」とiPadを称賛する記事をめぐって活発な議論が交わされている様子を伝えている。その大半が記事に賛同できないという意見だ。いわく「iPadは持ち運ぶには大きすぎる。かといって複数ページにわたるレポートを書くには不便。会議でメモを取ったり、出先でPDFを見せたりといった程度だ」「これはノート・パソコンやデスクトップ機を補完するモバイル機としか考えられない。ましてやネットブックに取って代わるとは考えられない」といった具合である。

     電子書籍リーダーに取って代わる製品だといった意見もある一方、米Amazon.comの「Kindle」などは米国市場で確固たる地位を築いており、当面は影響はないというアナリストの観測も出ている。そもそもiPadは、Kindleなどとはコンセプトが異なる製品。カラー液晶ディスプレイを採用しているiPadのバッテリ駆動時間は最大10時間。これに対し電子ペーパーを採用しているKindleは、消費電力が少なく、データ通信機能をオフにしていれば2週間は充電の必要がない。両製品のコンセプトが明確に違っているため、顧客の奪い合いにはならないというのだ。

     ネットブックの用途として使えず、スタンドアロン型の電子書籍リーダーとも異なる。そんなiPadとはいったいどういう製品なのだろうか――。こうしたiPadのコンセプトをめぐる議論がネットで繰り広げられている。

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