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 当研究所では、グローバリゼーションをキーワードに、これからの企業基盤を考えています。第6回から説明してきた「可視化指標によるIT部門の恒常的なパフォーマンス改善」もいよいよ最終ステージに入りました。今回は、IT部門可視化指標である五つのKPIのうち、残り二つの「工数管理」と「受注残管理」について説明します。

 可視化指標によるIT部門の恒常的なパフォーマンス改善では、「顧客の視点でのサービスカタログとは何か?」から始まり、IT部門内の「生産性、品質、サイクルタイムとは?」など、様々な角度から具体例をできるだけ挙げながら説明してきました。

顧客が支払うコストを“上回る”サービスを提供し続ける

 第10回第12回で説明した「生産性」「品質」「サイクルタイム」の三つの指標は、IT部門のパフォーマンス向上のための“主要KPI”に位置付けられます(図1)。IT部門が、社内の“テクノロジ生産部門”から、企業のビジネスパートナーになり得る“サービス部門”に生まれ変わるためには、常に上記の3指標を駆使し、ベストサービスを社内顧客に提供し続けなければならないからです。

図1●IT部門における管理指標となる五つのKPIの例
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 サービス部門の条件は、ITが日常提供しているサービスに対して社内顧客が感じている価値を意識し、三つのKPIのバランスを考えながら、社内顧客が支払っているコストを“上回る”サービスを提供し続けることに他なりません。

 これら三つのKPIを駆使すれば、「サービス部門」たるITの恒常的な改善が可能です。しかし、この主要KPIをより意味のあるものにするのが、今回取り上げる「工数管理」と「受注残管理」です。これら二つのKPIには、主要KPIの不足エリアを補う“補助KPI”という役割があります。

 まず工数管理は、IT部門に「価値を生み出す仕事に工数を多く費やせたかどうか?」を問う指標です。

 ここで、もう一度「検収不良」の考え方をおさらいしておきましょう。IT部門内の連結テストや単体テスト、システムテスト段階で不具合が発見されたアプリケーションやインフラコンポーネントは、その不具合の修正が加わります。実装後も、UAT(User Acceptance Test)や運用によって不具合が社内顧客によって発見され、同じプロセスで修正されます。これらが、いわゆる「手戻り」です。