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 今回は、総合窓口において窓口業務間の相互連携を阻む5番目の壁である「システムの壁」のうち、窓口業務間の縦割りを克服するための3つの機能を備えた総合窓口に関連するシステムのあり方について、具体的に解説していきたい。

 3つの機能とは、住民記録、印鑑登録、外国人登録、戸籍事務といった総合窓口に関連する業務システムにおいて、(1)関連する窓口業務を受け付けて一括業務処理ができ、(2)手続きに必要な個人・世帯に関連するデータを参照・更新でき、(3)窓口業務を行う職員に対して専門知識がなくても支援してくれる---といった機能である。

(1)複数の窓口業務の一括処理が行える機能とは

 1番目の複数の窓口業務の一括処理が行える機能とは、具体的には、婚姻、出生、転居などの住民のライフイベントに関連した手続きに必要な届出について、一連の事務処理を一括処理することにより、データ入力の手間を解消することが可能となる仕組みのことである。例えば、市民課で入力した異動データを他業務でも再度入力することなく利用できるようにして、自動的に展開していくような組織横断的な業務画面である。

 また、パスワード入力、個人検索、メインとなる業務、各種業務の順で各種手続きの処理が自動展開し、同じような操作を何度も行わなくても済むようにすることで、最小限の操作で多くの業務処理ができるように効率化を図れる。さらに、業務処理した手続きごとに管理番号を付加することにより、業務処理の進捗管理も可能となる。つまり、窓口で受け付けた手続きの申請・届出処理が一連の作業として、できるようになる。

 例えば、「転入」に関する手続きでは、従来であれば、最初に住民異動の処理を行い、次に国保加入者であれば、別途、国保加入処理を行い、さらに学齢児童がいれば転入学の処理を行う。しかし、それぞれの業務別に個別の業務システムで処理するため、極めて非効率となり、事務処理に時間を要する。

 一方、前述した機能があれば、分断された個々の窓口業務を一連の流れに沿って、効率的に自動展開して処理できる。また、個別に業務システムを起動せずに、1人の住民に対して交付可能な住民票や所得証明などの複数の証明書を1つの画面に表示させて、そのまま発行および交付するといった統合的な総合証明発行も行えるようになる。

 こうした機能を実現するためには、業務処理ごとの従来の専用端末ではなく、1台で複数の業務システムを利用できる端末も欠かせない。また、日付が西暦か元号かといった各種手続きの届出様式の記載項目を共通化・標準化することも必要である。というのも、氏名、住所、生年月日、性別などの申請書の項目を統一できれば、システムで複写して転記すればよいため、複数の窓口業務で何度も入力する手間が不要となるからである。このことは、申請内容の記入漏れや誤りの防止にも効果がある。

 さらに、総合窓口だけでは処理しきれない窓口業務に対しては、別の窓口の案内と合わせて、共通化された記載項目をあらかじめ印字した届出・申請書を来庁者に渡し、住民の手間を省く「届出・申請書の自動作成サービス」も実現することが可能となる。