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 ブロードバンドの普及により、デジタルテレビにインターネットへ接続するためのLAN端子が標準搭載されるようになり、インターネット上の動画をテレビで視聴するがことできるようになってきた。アクトビラや、NTTぷららが提供するひかりTVがデジタルテレビ向けに提供するIPTVサービスでは、一般社団法人のIPTVフォーラム(以降、IPTVフォーラム)が策定した仕様が利用されている。IPTVフォーラムは、IPTVサービスをより身近に利用できるように、「デジタル放送」と「インターネットを使ったVODやダウンロードなどのサービス」が連携する技術仕様の検討を進めている。今回は、IPTVフォーラムが策定している放送・通信連携IPTVサービスの仕組みについて解説する。

 IPTVフォーラムは、通信事業者、家電メーカー、放送事業者など15社によって2008年5月に設立した団体である。現在の会員数は正社員(法人)54社で、さらに協賛会員20社が参加している。IPTVフォーラムは、IPTVサービスの実現・普及を図るという観点から、オープンなIPTVサービスを実現するために必要な送信・受信に関する規定、受信機仕様およびそれらに関連する技術仕様などの策定を行っている。NHK(NHKオンデマンド)やアクトビラが提供するテレビ向けVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスや、NTTが提供する地上デジタル放送のIP再送信サービスでは、IPTVフォーラムが策定した仕様が利用されている(表1)。

表1●IPTVフォーラムが策定した仕様一覧(2010年2月時点)
表1●IPTVフォーラムが策定した仕様一覧(2010年2月時点)
IPTVフォーラムサイトからダウンロード可能
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 なおIPTVフォーラムが策定した仕様に対応したテレビや受信チューナについては、NTTが提供するひかりTV対応テレビが東芝やシャープから、アクトビラ対応テレビがパナソニック、ソニー、シャープ、東芝、日立コンシューマエレクトロニクスなどの10社から発売されている。

データ放送からのIPTV連携機能

 デジタル放送の特徴であるデータ放送サービスは、テレビやセットトップ・ボックス(外付けチューナー)をインターネット回線に接続することで、データ放送の画面から通信経由で放送事業者がインターネット上に用意したサーバー(データ放送サーバ)にアクセスして、放送で提供する以上の各種情報を見ることができる。データ放送サーバー上でもBML(Broadcast Markup Language、データ放送用記述言語)でコンテンツが記述されており、同じBMLブラウザで両方のコンテンツを閲覧できる。しかし、テレビをインターネットに接続しているユーザは少なく、放送事業者にとって課題となっている。

 IPTVサービスとして提供されているNHKオンデマンドやアクトビラのVODサービスをデジタルテレビで視聴するには、テレビをインターネットに接続するのはもちろんのこと、リモコンにある「アクトビラ」や「Tナビ(ブラウザ)」ボタンを押して、アクトビラのポータルサイトへ接続し、そのポータルサイトから見たい番組を探す必要がある。

 そこで、IPTVフォーラムでは、デジタル放送と通信によるオンデマンドサービスを連携するための「放送連携サービスアプローチ仕様 IPTVFJ STD-0008 1.0 版」を策定した。第1弾としてデータ放送の画面からIPTVサービスの画面へ容易に遷移するための機能(関数)を2008年6月のARIB規格会議で規格化して標準規格(ARIB STD-B24 5.2版)とした。同年9月のARIB規格会議で運用規定(ARIB TR-B14 3.7版)に追加している。

 さらに、第2弾として放送で提供されるデータ放送の画面から、直接VODサービスやダウンロードサービスを実現するための機能(関数)を2009年7月のARIB規格会議で規格化して標準規格(ARIB STD-B24 5.3版)に追加した。なお、後者は、サービスを実用化するために必要な運用規定には、現時点でまだ反映されていない(表2)。

表2●IPTV連携機能を実現するために追加した新関数
表2●IPTV連携機能を実現するために追加した新関数
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