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Android 2.0から2.1への進化

 Android 2.0(DROID)から2.1(Nexus One)へのアップデートでは大きく機能とアプリが一つずつ追加されている。

 機能面で追加されたのがLive Wallpaper。いわゆる壁紙を動的に変化させることができるもので,壁紙自体をアプリケーションとして配信できる(写真12)。Live Wallpaperの実行環境は,Androidのアプリケーション実行環境そのものなので,通信やセンサー情報の取得が可能。例えば,場所やユーザーの動きに応じて,壁紙に出す情報を変化させるといった使い方ができそうだ。

 アプリケーションでは,画面上に天気予報とニュースを表示する「Weather & Newswidget」が追加されている(写真13)。天気予報は位置情報から自動設定,ニュースは一定間隔で自動更新される。ちなみに,類似アプリは既にサード・パーティから提供されていた。

写真12●動的な壁紙を選べる「Live Wallpaper」
写真12●動的な壁紙を選べる「Live Wallpaper」
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写真13●ニュースと天気予報を配信する「Weather & News widget」
写真13●ニュースと天気予報を配信する「Weather & News widget」
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Android 2.1から2.1 OTA updateへの進化

 2010年2月2日,Nexus Oneのアップデート・プログラムが配信された。ここでの最大の変更点は,グーグル提供のアプリでのマルチタッチへの対応だ。Googleマップ,Webブラウザ,ギャラリーの三つがマルチタッチに対応した。マルチタッチの操作は基本的にiPhoneと同じである。WebブラウザとGoogleマップではチューニングが施されたのか,明らかにサクサク感が増している。

 Googleマップではバージョンが3.3から3.4に上がり,機能面で強化されている。具体的には,パソコン用の「maps.google.com」との同期・連携機能強化と,ナビゲーション・モードの夜間モード自動切り替えである。maps.google.comとの連携では,ユーザーが登録した場所やウェブ版のマップでの検索履歴に基づいた検索候補提示などが可能になっている。

 さらに,今回のアップデートではGoogle Gogglesも,標準インストールされるようになった。Google Goggleは建物や製品パッケージを撮ると画像を解析して,それに関係のある内容を検索するものだ。

Nexus Oneで見えたグーグルの狙い

 最後に,Nexus Oneの評価を通して見えてきた,グーグルおよびそのパートナーの位置付けを述べたい。

 HT-03Aなどで利用されているAndroid 1.6まで,グーグルは,マルチタスクなどミドルウエアの内部構造のブラッシュアップに力を注いできていた。これに対し,Nexus OneおよびモトローラのDROIDが搭載したAndroid 2.0/2.1では,ユーザー・インタフェースや使い勝手などが強化されている印象を受ける。まだiPhoneに対抗できるまで育てきれてはいないが,その姿勢を示すものと言える。

 モトローラのDROIDとNexus Oneは,OSのバージョンがほぼ同じで投入時期も近いことから,ほぼ同時期に開発が始められたと推測される。DROIDでQWERTYキー型,Nexus Oneでフルタッチ型を追求し,この両面からiPhoneに対抗しようとしたのだろう。

 つまり,Nexus OneおよびDROIDは,グーグルがAndroidの方向性を示すためのリファレンス・マシンととらえるのがよさそうだ。iPhoneに比較してAndroidはハードウエアとソフトともに制約がゆるい。そのため今後,市場にさまざまな商品が出てくることが想定される。これらを,ある程度方向付けようとしたのがNexus OneやDROIDなのではないか。海外のメディアでは,米モトローラがグーグルのNexusシリーズ向けに端末を作っているという報道もある。DROIDに似たモトローラ製端末がNexusシリーズとして,グーグルから出てくれば,この流れがはっきりとするだろう。

 グーグルの戦略パートナーとなり,端末を開発し,Nexusシリーズとして販売することはHTC,モトローラの両社にとってもメリットが大きい。まず,必ずしも世界的に知名度が高くないHTCにとって,Googleブランドは彼らの企業価値を上げるのに寄与する。さらに,スマートフォン市場でのポジション形成に役立つ。

 モトローラにとっては,DROIDの投入と米国での大々的な宣伝によって「Android Phoneと言えばモトローラ」という印象を市場に植え付けることができた。さらに,次期Nexusシリーズの投入が実現すれば,モトローラのAndroidスマートフォンへの注力を明確に示すことが可能となるだろう。

■変更履歴
5ページ目第6段落で「Google Google」となっていましたが、正しくは「Google Goggles」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2010/03/17 10:10]