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 今回のテーマは客先での会話です。営業に配属されて最初の客先訪問は先輩らに同行することが多いと思います。山田さんも先輩から多くのことを学びます。

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 今日は五十嵐さんについてお客様を訪問する日です。先輩に同行するとはいえ、営業としてお客様先に行くのは初めてなので緊張します。9時30分にここを出るとの話だったので今日は8時30分に出勤して、持ち物の最終チェックをしました。大丈夫そうです。

 「山田さん、そろそろ出るぞ」

 「はい、分かりました」

 すぐに返事をします。荷物を持って、コートを着てエレベーターホールに向かいます。五十嵐さんの表情も、お客様にご訪問する直前とあってか、心なしか緊張の面持ちです。

 「山田さん、今日のお客様は歩いて15分程度のところにあるから、話しながらゆっくり歩こう」

 「そうですね。分かりました」

 「で、営業の準備はちゃんと出来たかい?」

 「はい、いろいろな人に助けてもらいながらですけど、何とか」。準備したことを五十嵐さんに話しました。

 「それなら大丈夫そうだ。それじゃ、お客様のところに着く前にいくつかクイズを出そう。きちんと考えて、答えを出すんだ」

 五十嵐さんは直接あれをやれ、これをやれとはいいません。いつも教えたいことをクイズにしてきます。結構難しくて、答えられないことも多いですけど。

 「まずは基本中の基本だ。お客様のところに訪問するのは、約束の時間の何分前が望ましいかな?」

 「うーん、10分前か、5分前くらいでしょうか」

 「10分、5分、どっち?」

 「5分前…でしょうか」

 「正解!5分前が望ましいんだ。10分前だと、少し早すぎる。お客様も仕事を中断して我々と会ってくれているのだから、ギリギリまでは訪問してはいけない。逆に時間ぴったりでも、お客様を不安にさせてしまう。ちょうど良い頃合が5分前だ。早く着いたときは、外で少し時間をつぶすこと。お客様の時間や心情に配慮することは、営業としての最低限の心構えだよ」