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 2009年は「Twitter(ツイッター)」という文字を新聞や雑誌の見出しで見ることが多くなった。架線の故障で新幹線が立ち往生したとき、朝日新聞は乗客のTwitterメッセージを紹介していた。ソフトバンクでは孫社長が全社員にTwitterのユーザー登録を指示したという。さらに同社は2月2日の決算説明会を、Twitterとリアルタイム動画配信サービスを併用してWeb上で中継。動画の視聴者は4000人を超えた。

 Twitterは簡単にいえば「最大140文字のマイクロブログ」だ。それがこれほど大きな社会現象になったのはなぜだろうか? いったいどこがそんなにすごいのか? そろそろTwitterについて勉強してみなくては、と考えている読者も多いことと思う。Twitter解説本はすでにかなりの数が出版されている。それぞれ特徴があるが、「Twitter現象」なるものの全体像を短時間でつかみたいのであれば、本書が注目だ。

 Twitterの機能や特徴、沿革などの基礎知識もきちんと説明されている。本書はそこにとどまらず、題名の通り「ネットと現実社会のつながり」の新しい例としてTwitterを考察しているところが優れている。

 読みどころは「第3章 社会に広がるツイッター・インパクト」だろう。イラン大統領選の不正に抗議する市民運動に果たしたTwitterの役割、日本の政治家のTwitter利用など重要な話題が紹介されている。

 著者の津田氏は1997年ごろからメディアジャーナリストとして活躍しており、文科省文化審議会著作権分科会の小委員会で専門委員を務めるなど社会活動にも熱心だ。Twitterが一般公開された直後の2007年4月から使い始め、現在3万6000人の「フォロワー(メッセージの購読者)」がいる。

 津田氏がTwitterコミュニティーの注目を集めたのは、何と言っても公開の会議、セミナーその他イベント会場からTwitterを使って内容を実況中継するという試みを始めたことだろう。これはたちまち「tsudaる」というネット用語となって広まった。

 Twitterのような全く新しいサービスは、外からの視点では説明できない。日本の利用者を代表するジャーナリストによるTwitter解説書として、本書は大いにお薦めできる。

評者:滑川 海彦
千葉県生まれ。東京大学法学部卒業後、東京都庁勤務を経てIT評論家、翻訳者。TechCrunch 日本版(http://jp.techcrunch.com/)を翻訳中。
Twitter社会論

Twitter社会論
津田 大介著
洋泉社発行
777円(税込)