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Xperia/Android Developer Meeting Tokyoの会場
Xperia/Android Developer Meeting Tokyoの会場

 「Androidはアプリ間連携で“マッシュアップ”できる」(リクルート メディアテクノロジーラボ チーフエンジニア 舩見高貴生氏)、「シンプルなアプリが“ぶち刺さる”」(テックファーム プロフェッショナルサービス事業部 ITプロモーション部部長 矢吹通康氏)---。

 2010年3月6日に開催されたAndroid/XPERIA developer meeting Tokyo(日経BP社主催、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ共催、日本Androidの会とリクルート メディアテクノロジーラボ特別協力)で2社の開発者が、スマートフォン・アプリケーション開発を手がけた経験から得られた知見を披露した。

「アプリ連携、テスト、メモリー管理がうれしい」---リクルート舩見氏

リクルート メディアテクノロジーラボ チーフエンジニア 舩見高貴生氏
リクルート メディアテクノロジーラボ チーフエンジニア 舩見高貴生氏
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 リクルートは、「ホットペッパーFooMoo」や「エイビーロード」など、同社のインターネット・サービスを第三者が利用してアプリケーションを作成できるWeb APIを公開中。このWeb APIを利用したiPhoneアプリケーションとして、ホットペッパーに登録された店舗情報を検索、閲覧できる「FooMoo byホットペッパー for iPhone」と「ホットペッパー FooMoo for Android」を公開している(関連記事)。舩見氏は、実際に開発して感じた2つのプラットフォームの違いについて語った。

 「まず大きく違うのはアプリケーション間連携。Androidは複数アプリが同時に動き、他のアプリケーションに行って戻ってくることができる。これに対しiPhoneは他のアプリに行って戻ると初期画面からやり直しになる」(舩見氏)。Androidで他のアプリケーションを呼び出す機能をインテントと呼ぶ。「Androidのアプリケーション連携はマッシュアップのようなもの。協調してアプリを成長させることができる」(舩見氏)。実際、ホットペッパー FooMoo for Androidでも、Twitterクライアントを呼び出して店舗情報を投稿する機能を実装している。逆に他のアプリケーションからFooMooを呼び出すこともできるという。

 続いて舩見氏が指摘するのはユニットテスト環境の違い。「Androidでは(テスティング・フレームワークの)Junitが動く。これがうれしい」(舩見氏)。Junitでは、ユーザー・インタフェースもテストできるという。iPhoneにもsentTESTと呼ぶテストツールがあるものの、「意味不明のメッセージが多い」というのが舩見氏の感想だ。

 メモリー管理も相違点だという。AndroidではJavaのメモリー管理機構を使う。このため、「Androidはどこで落ちたかわかる。一方、iPhoneは“無言”で落ちる」(舩見氏)。

画面解像度、UI作法の不統一が難点

 もちろん、アプリケーションを作る上でiPhoneに比べてAndroidの方が不利な点もある。

 例えば画面の解像度は、iPhoneでは一種類。一方、Androidでは実装する端末によって異なる。「px(ピクセル)ではなくdip(デバイス独立ピクセル)を使うことで解像度の大きさは吸収できるものの、縦横比が違うと厳しい」(舩見氏)。ユーザー・インタフェースのガイドラインも、iPhoneは一つだが、Androidはたくさんある。「どれについていけばいいのか悩ましい」と舩見氏も戸惑う。

 アプリケーション配布サービスも、iPhoneでは「App Store」だけだが、AndroidはGoogleの「Android Market」や「ドコモマーケット」、Sony Ericsson Mobile Communicationsの「PlayNow」など多数ある。もっとも、こちらはAndroidの方が不利とは一概に言えないようだ。「App Storeではランキング外に埋もれてしまうとなかなか見つけてもらえないが、Androidはどこかで露出できる可能性がある」(舩見氏)。登録の手間が増える半面、ユーザーにリーチできる機会が増えるという利点があると見る。

 開発環境については、Androidの方が有利だと指摘する。「iPhoneはMacintoshが必須であり、アプリケーションを実機で動作確認するためには年間99ドルの登録料がかかる。個人開発者には少なくない金額だ。これに対しAndroidはWindowsでもMacintoshでも開発でき、登録料も必要ない」(舩見氏)。

 「では、iPhoneとAndroidのどちらを選ぶべきなのか」。最後に舩見氏は、自らに対してこう問いかけた。しかしその答えは、どちらでもないとするものだった。「iPhone、Androidだけじゃない。iPadやKindle、それぞれ特徴のあるさまざまなモバイル・デバイスが出現している。開発者にとってとても楽しい世界が来ている」(舩見氏)。新しいデバイスが新しいアプリケーションの可能性をもたらす。その可能性をアイディアと技術で現実にするのは開発者だと、聴衆の開発者にエールを送った。