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 京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2010年6月をメドに、UQコミュニケーションズが提供するUQ WiMAXのサービスをKCCSの通信設備を経由して顧客に提供するMVNE(mobile virtual network enabler)事業に参入する。

 KCCSが想定しているサービスは、大きく非通信事業者向けと通信事業者向けに分けられる。中でもKCCSが大きな期待を寄せるのが非通信事業者向けのサービスである。サービスの提供先としては、製造業などを想定している。KCCS 取締役 ICT事業統括本部 副統括本部長の松木憲一氏は、「製造業ならば、カーナビといった製品にUQ WiMAXの通信機器を組み込んでもらいたいと考えている」と説明する。電子書籍を提供する機器に組み込んで、書籍データをダウンロードするために使うこともアイデアとしてあるという。

 ほかには自動販売機といった電子機器に組み込んで、売り上げ情報や在庫情報を自動で送信するMtoM(Machine to Machine)や、デジタルサイネージ端末に組み込んで、無線でコンテンツを更新できるようにするといった考えもある。

 想定している製造業などの企業は、通信サービスを提供する上で必要なノウハウや設備を持ち合わせていない。具体的にはMVNOが扱う必要のある通信機器の運用ノウハウや、顧客情報の管理や契約手続きの代行、料金回収、障害発生時の顧客対応といった仕組みを指している。こうした部分をKCCSが通信サービスと合わせて提供することで、よりスムーズにMVNOが通信サービスを提供できると考えている。

 通信事業者向けはISP(インターネット・サービス・プロバイダー)やシステム・インテグレータをサービス提供先として想定している。通信事業者向けという用途を想定して、接続形態はKCCSとUQコミュニケーションズとの間でMVNE側が「Home AAA(認証設備)」や「HA(端末移動時に同一のIPアドレスを保つための機能)」といった最も多くの通信設備を自社で運用する「パターン5」を選んだ。これにより、プライベートIPアドレスがモバイル端末に付与できるといい、インターネット回線を利用しながら閉域接続ができるという。KCCSは、「パターン5で接続することで、企業の社員がモバイル端末から社内システムへセキュアに接続できる仕組みを提供できるようになる。通信事業者にとっては他社と差異化したサービスを提供できる」(松木氏)と説明する。

 KCCSは2010年6月をメドに通信事業者向けのサービス提供から始め、2010年度下期(2010年10月以降)に非通信事業者向けのサービス提供を開始する予定である。同社では状況をみて、3G(第3世代移動体通信)回線のMVNEも手がける意向である。