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by Gartner
マイケル・シルバー VP兼最上級アナリスト
針生 恵理 シニアアナリスト

 Windows XPのサポートは2014年4月8日まで続くが、独立ソフトウエアベンダー(ISV)によるXPのサポートはそれよりも早く終わる可能性がある。Windows 7への移行プロジェクトはサービスパック1(SP1)を待たずに開始すべきだ。以下、移行時に考慮すべき点を解説する。

UAC(ユーザーアカウント制御)に備える
 UACはWindows 7の利点の一つであり、Windows Vistaに比べて改善されているが、「管理者権限を常用する」という従来のパソコン文化の変更をユーザーに迫る。教育は必須で、ユーザーにとってのメリットについて理解を促す必要がある。

ブラウザーアプリケーションを検証する
 現在多くの企業がInternet Explorer 6(IE6)に特化したアプリケ ーションを使用している。IE6は標準に準拠しておらず、IE6向けに開発したアプリケーションの40%がWindows 7で動作しないもようだ。また、XP上で動作するIE7やIE8のアプリケーションであっても、Windows 7では問題がおきるケースがあり、修正が必要な場合がある。

ISVによるサポートを確認する
 リスク管理の視点に立つと、重要なアプリケーションはWindows 7での動作を検証するだけでなく、ISVがサポートしているかを確認する必要がある。アプリケーションを重要度によって分類し、利用の範囲を把握した上で、重要なアプリケーションを提供するISVのサポートスケジュールを考慮して移行計画を検討すべきだ。

利用部門を巻き込む
 アプリケーションの検証をシステム部門だけで実行するのは難しい。利用部門に対して検証用のWindows 7マシン(物理/仮想のどちらでもよい)と検証手順を提供し、管理者の理解を求め、利用部門による検証を推進する必要がある。

移行スケジュールを決定する
 XPの延長サポート終了後も、カスタムサポート契約を結べばXPは利用し続けられる。しかし、初年度で20万ドルの契約金が必要になる。2012~13年には多くのISVによるXPサポートは終了するであろう。XPが利用できなくなる前に、Windows 7への移行を済ませる必要がある。

検証に十分な時間と予算を確保する
 検証していないアプリケーションがWindows 7で動かなかった場合、利用部門が不満を募らせ、移行プロジェクト全体の妨げになる恐れがある。テストには十分な時間と予算をかける必要がある。「AppDNA」や「ChangeBase」「Microsoft Application Compatibility Toolkit(ACT)」といったアプリケーション互換性検証ツールなどの導入も検討すべきだ。

64ビットへの移行は慎重に
 64ビット版Windows 7では、ほとんどの32ビットアプリケーションは問題なく動作する。しかし、16ビットアプリケーションは動作しないし、デバイスドライバで動作しないものもある。このため、2011年初めまでは、ほとんどの企業が32ビット版Windows 7を選択するだろう。

XP ModeやMed-Vに頼りすぎない
 Windows 7 Professional以上なら無償で利用できる「Windows XP Mode」、また「Microsoft Desktop Op-timization Pack(MDOP)」に含まれる「Med-V」は、互換性に問題のあるアプリケーションを仮想マシン上のXPで動かすツールだ。これらツールの一番の問題点は、セキュリティ対策や管理をすべきWindowsの数が2倍になってしまうことだ。XP ModeやMed-Vの使用は最低限にとどめ、多くのアプリケーションはWindows 7用に修正、あるいはバージョンアップすべきだ。

Office 2010を同時に導入しない
 Office 2010はまだリリースされていない。新バージョンのOfficeを導入する際には、最低でも12カ月の検証期間が必要となる。2010年下期~2011年上期にWindows 7とOffice 2010の同時展開を計画する企業も少なくないが、Windows 7の移行自体を遅らせる恐れがあるので避けるべきだ。