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 米Intel社とフィンランドのNokia社は2010年2月15日、両社が開発したモバイル向けLinuxを統合すると発表した。新プラットフォーム「MeeGo」は2010年6月にもリリースされる。

 「Intelは半導体に強く、Nokiaは携帯電話に強い。両社は互いに求めるものを持っていた。パーツの共同開発から、今回はOSの統合に踏み込んだ」(インテル マーケティング本部 ソフトウェア・エコシステム・マーケティング統括部長 下野文久氏)。NokiaとIntelはモバイルLinux向けの共通技術の開発に関する提携を2009年6月に発表し取り組んできたが、これが今回のモバイルLinuxの統合につながった。

 統合したOSの名称は「MeeGo(ミーゴー)」。意味は「being personal」および「people on the move」だという。携帯電話やスマートフォン、ネットブックに加え、幅広い製品への応用を目指す。具体的にはインターネット対応テレビ、車載情報システムなどだ。今回の提携でIntelは、Nokiaが保有するHSPA/3GのIPライセンスを獲得し、今後の製品に適用していく。

MeeGoではQtを利用

 Moblinはインテルが開発したモバイル向けのLinuxプラットフォーム。モバイル向けGUIや、高速起動などの機能を備える。海外ではいくつかのモバイルインターネット端末(IntelはMobile Internet Device=MIDと呼ぶ)がMoblinを搭載している。一方Maemoは、Nokiaが開発したLinuxベースのモバイルOSで、2009年10 月発売の「Nokia N900」で初めて搭載した。

 MeeGo v1.0は、2010年6月にリリースされる予定だ。「MeeGo v1.1はMoblin v2.2と同等」(インテル 下野氏)という。旧版との最大の違いは、アプリ開発用のライブラリがQtになることだ。QtはオープンソースのGUIライブラリで、Nokiaが買収したノルウェーTrolltech社が開発した。

 Moblinでは、「Clutter」と呼ぶGUIライブラリを提供していた。Clutterで開発したアプリケーションは今後もMeeGoで動作するが、MeeGoにおけるアプリ開発用のライブラリはQtに統一されることになる。

 またMoblinはIAアーキテクチャのAtomをターゲットにしていたが、ARMでも動作可能となる。NokiaのMaemoはARMをサポートしていた。

 アプリケーションストアとして、Moblin向けにはAppUp Center、Maemo向けにはOViが開設されているが「MeeGoではこれら両方が利用できる」(インテル 下野氏)という。

図1●MeeGoのアーキテクチャGUIはQtが標準になるが、MoblinのClutterで開発されたアプリケーションもそのまま稼働する。
図1●MeeGoのアーキテクチャ
GUIはQtが標準になるが、MoblinのClutterで開発されたアプリケーションもそのまま稼働する
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 Moblinのコミュニティーは、Linux推進団体であるThe Linux Foundationが運営している。MeeGoのコミュニティー(http://meego.com/)も同団体が担当する。The Linux Foundation ジャパンディレクタ 福安徳晃氏は「MeeGoは完全なオープンソースプロジェクト。誰でも参加できる」と、オープンであることがMeeGoの強みであると強調する。