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 クラウドコンピューティングが注目を集めている。だが、企業情報システムを安心して委ねられるだけの基盤になるためには、クラウドを実現するテクノロジと、クラウドから生まれるサービスの双方が歩調を合わせ、社会のニーズに応えなければならない。両者の間にある“素敵な関係”について、日本発でクラウドビジネスに臨むブランドダイアログの二人の取締役が解説する。今回は、森谷武浩 取締役CTO兼 SaaS/クラウドR&D本部長が、クラウド関連テクノロジのこれからを検証する。

じわじわと浸透するAmazon型クラウド

 今やクラウドブランドの“威光”は凄まじいものがある。とりあえず「クラウド」と名付ければ、時代の波に乗ったサービスのように思わせてしまうほどだ。2009年までは、クラウドと聞くと何やら「アメリカからまたWeb2.0の次の“IT黒船”がやって来たぞ!というような期待と不安を伴った複雑な感覚も見え隠れしていた。だが、この外来種は今や、日本の地で既にコモディティ化を果たしたようである。

 第3回で、Amazon型クラウドとGoogle型クラウドの違いと特徴について触れた。日本の大手IDC(インターネットデータセンター)や、いわゆるクラウドベンダーが提供するサービスの多くはAmazon型クラウドである。XenやVMWareなどの仮想化ソフトウエアを用い、1台のきょう体で複数のOSインスタンスをまかなう構成だ。動的にサーバー構成を変更したりできる。

 例えば、ある商品の一時的なキャンペーン用Webサイトなどでは、ピーク時とそれ以外の時ではサーバー負荷に大きな差が生じる。従来は、その最大値に合わせたサーバー構成を選択せざるを得ず、莫大なコストが重荷になっていた。それが、動的な割り当てが可能なAmazon型クラウドが出現したことで、初期投資は必要最低限のサーバー構成にし、ピーク時には動的に追加するというフレキシブルな構成が選択できるようになった。

 Amazon型クラウドは、日本市場にも、じわりじわりと浸透し始めている。一方で、Google型クラウドはどうだろうか?

 Google型クラウドは、FacebookやYahoo!、あるいは楽天などが、主に大量データを分散管理するためのミドルウエア「Hadoop」などを利用することにり、その導入が進んでいる。Amazonも一部導入し始めた。だが、実導入は「これから」といった感が強く、現時点では各社の技術者が血眼になって研究開発に取り組んでいる段階だろう。しかし、それほどまで各社が注目する秘密とは、一体何なのであろうか? Google型のどこにポテンシャルがあるのだろうか?

 Google型クラウドの特徴は、第3回にいくつか示したが、もう一つの特徴として、Amazon型クラウドよりも、より決め細やかなリソースの割り当てが可能なことが挙げられる。Amazon型クラウドの多くは、OS単位でのインスタンス構成であるのに対し、Google型クラウドでは、ファイル単位あるいはプロセス単位で処理を分散化できる。つまりPCやサーバーのリソースを、より効率的に“資源化”できるのだ。

日本を資源大国にする「JapanGRID構想」

 当社は、「JapanGRID構想」を掲げている。これは、PCやサーバーを“資源”と見なし、日本発で世界初の資源ビジネスを始めようという構想である。

 日本には石油も石炭も天然資源はほとんど存在しない。資源の乏しい国だと言われて久しいが、実はIT時代の“新たな資源”が身の回りに存在しているである。その資源はPCやサーバーであり、それらを採掘するためのツールとしてグリッドテクノロジがある。PC資源を効率良く集約し、「いつでも、どこでも、使いたいときに、使いたいだけ」利用できる仕組みを構築する。これが当社の目指すクラウドの形であり、「資源大国ニッポン」を実現するのである。

 JapanGRID構想では、余剰資源をかき集めて再販する。しかも、資源を提供する側のユーザーに、何らかの形で対価が支払われるのであれば、一石二鳥である。究極のエコな仕組みと言えるのではないだろうか?実際当社では、2011年頃に予定されているCO2排出権枠取引の枠組みと、このPC資源取引の仕組みを組み合わせるビジネスを模索している。