ニュース解説
目次
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厳しい大手4社の4~12月期決算
景気回復への期待はかなわず
「国内のIT投資は力強く回復するとみていた。しかし、2011年に入ってから、厳しさが増している」。富士通の山本正已社長は決算会見の席でこう漏らした。
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IPアドレスの枯渇が現実的に
クラウドサービスに深刻な影響も
IPv4アドレスの枯渇が、現実に近づいてきた。国際団体IANAが管理していた未使用のグローバルIPアドレスが、2011年2月3日に底を突いた。IANAからアドレスの割り当てを受ける立場にある、アジア太平洋地域の管理団体APNICに在庫はあるものの、それも今夏までにはなくなる見通しだ。
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新幹線、119番対応、ATMが相次ぎダウン
当事者は真因の究明と公開を
東北・上越など五つの新幹線が全線ストップ、東京都で119番通報への対応が滞る、三菱UFJ信託銀行のATMが全面停止──。この1月、社会インフラを担うシステムのダウンが続いた。
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NECとレノボがPC事業合弁
顧客は価格低下を歓迎
NECと中国レノボは1月27日、PC事業の提携と合弁会社の設立を発表した。2011年6月をメドにPC事業の合弁会社を設立し、開発、生産、販売に関する協力体制を構築する。合弁会社の出資比率はレノボが51%と、過半を握る。両社の製品ブランドは維持し、顧客サポートや製品供給、製品保証などは、従来通り継続…
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JALが自前開発に回帰
情報子会社を買い戻し、運用委託は継続
日本航空(JAL)は2011年1月4日、日本IBMと結んでいるアウトソーシング契約の範囲を縮小し、アプリケーションの開発・保守を自前に戻すことを発表した。1月以降はインフラの運用だけを日本IBMに委託し、開発・保守はJALグループで担う。
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スマートシティ実証事業に150億円
政府IT予算にも事業仕分けの波
政府は2010年12月24日に2011年度予算案を発表した。重点施策として「環境・エネルギー産業が牽引する経済成長(グリーン・イノベーション)」を掲げており、IT関連事業では前年度に続いて環境や社会インフラ関連への手厚い配分が目立った。
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「フリーミアム」が企業にも
セールスフォース、エバーノートなどが参入
「基本機能は無料、高機能版を使う場合は有料」──。こんなビジネスモデルを備えた企業向けクラウドサービスが、2010年12月に相次いで登場した。サービス提供者は、まず無料版で顧客企業を引き込み、順次有料版を増やして収益拡大を狙う。
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クラウドは構想から実装へ
新製品にみる2011年のIT動向
大手ベンダーが描いていたクラウド構想。その具体的な製品やサービスが続々と登場する──。2011年はこんな年になりそうだ。クラウドサービスに加え、クラウドサービスにアクセスするための端末や高速無線通信サービスなど、クラウドの利用環境も急速に整う。
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セールスフォース、PaaSを増強
新ターゲットはソーシャルとモバイル
米セールスフォース・ドットコムが、アプリケーション開発・実行環境をサービスとして提供するPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の種類を増やした。12月7、8日に米国で開催した開発者会議「Dreamforce ’10」で、RubyのPaaSである「Heroku」の運営元、米ヘロクを2億12…
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ノートPCも10秒起動へ
グーグルが試作機、無料OSも登場
電源を入れると数秒で起動し、Webへアクセスできるようになる。2011年には、こんなノートPCが身近になりそうだ。米グーグルが12月7日(米国時間)、Web利用に特化した「Chrome OS」を搭載したネットブックの試作機を発表した。米国のベンチャー企業スプラッシュトップも同様な特徴を持つ無償OS…
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行刷会議、IPAの中核事業にメス
「オープン・クラウド環境整備」は廃止
政府の行政刷新会議は2010年11月26日、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が手掛ける中核事業について見直しの方針を決めた。これは、行政刷新会議が決めた「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」の一環だ。
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MS、クラウド戦略で競合に照準
グーグル、セールスフォースらに対抗策
マイクロソフトが、クラウド事業の強化策を相次いで発表した。CRMサービス、グループウエア、プライベートクラウド基盤の各分野で新サービスを投入。すべての分野で競合企業を明確に定め、対抗策を打ち出した。ベンダー間の競争が加速することで、顧客企業にとってはクラウドサービスの選択肢が増える。
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尖閣映像流出で浮き彫りになったITリスク
YouTube、Twitterの“危険性”が表面化
海上保安庁の巡視艇と中国漁船が衝突した映像が流出した事件は、三つのITリスクを浮き彫りにした。一つめは、動画共有サービス「YouTube」に動画データが流出した際の影響の大きさ。二つめはソーシャルメディアを通じて閲覧者が拡大するリスク。三つめは、情報管理体制の不備により、内部関係者が機密情報を外部…
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ソフトライセンスを「クラウド化」
使用権を共用するオンデマンド型が登場
使った分だけ支払う従量制で利用コストを最適化できるクラウドコンピューティング。その波がソフトライセンスの世界に及び始めた。使用権をユーザー間で共用できる新形態が登場したのだ。
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大手ITベンダー4社の4~9月期決算
「予想に反し国内市場が回復せず」
富士通、日立製作所、NEC、NTTデータの国内大手ITベンダー4社が2010年4~9月期決算を発表した。国内のIT投資の伸び悩みにより、富士通を除く3社は、国内市場で苦戦している。
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NTTデータ、米企業を過去最高額で買収
欧州とアジアでも大型買収を計画
NTTデータは2010年10月29日、米国のITサービス企業のキーンを買収することで、同社と合意したと発表した。この12月にも買収が完了する。今後、NTTデータはキーンを軸にグローバルの組織再編に乗り出す。
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NTTデータが「DIPS」以来のハード参入
Hadoop向けにクラウド専用機を自社開発
NTTデータがクラウドコンピューティング専用のハードウエア「Lindacloud」を自社開発し、10月から販売を開始した。オープンソースソフトウエア(OSS)の分散バッチ処理ソフト「Hadoop」のアプライアンスサーバーや、NAS(ネットワーク接続型ストレージ)などとして販売する。同社のハード事業…
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最新版Android搭載端末が登場
iPhone対抗スマートフォン続々
携帯電話事業者各社は10月下旬から、米グーグルの携帯電話向けOS「Android」を搭載したスマートフォン最新機種を相次いで出荷する。ソフトバンクモバイルが販売する米アップル製の「iPhone 4」を追撃する構えだ。
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利用者逮捕に続き個人情報流出
岡崎市図書館、原因はまたも三菱電機系ソフト
Web蔵書検索システムをダウンさせたとして、悪意のない利用者が5月に逮捕された愛知県岡崎市立中央図書館をめぐり、新たな個人情報流出事件が発生した。
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1時間25円の仮想マシン貸し
富士通がアマゾン対抗IaaSを開始
富士通は2010年10月1日、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)として「オンデマンド仮想システムサービス」の提供を開始した。仮想マシンやディスクの利用料金を1時間単位で徴収する従量課金制を採用している。