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宮原 徹
日本仮想化技術

 前回に引き続き、移行先の仮想化環境におけるネットワークとストレージの構成を検討する。また、消費電力についても、仮想化による削減効果を検証する。今回の試算では、消費電力を7分の1に削減することも可能であることが分かるはずだ。

ネットワーク構成の検討

 3台の仮想マシン・ホストで30台分のシステムを引き受けるとなると、1台当たり10システムが動作することになる。仮想マシン・ホストがギガビット・イーサネットを備えていれば、10分の1の均等割で一つの仮想マシンあたり100Mビット/秒が利用可能な帯域となる(実効性能はもっと少なく、さらにその半分程度)。古いシステムであればギガビット・イーサネットを使用していないことも多く、この程度で十分な場合も多いが、より速いネットワークが必要な場合は、NICを増設して帯域を増やす。そのほか、ライブ・マイグレーション用や管理用のネットワークなどが必要になる(図1)。

図1●ネットワーク構成例
図1●ネットワーク構成例
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ストレージ構成の検討

 共有ストレージを使用すると仮定した場合、ハードディスクを何台搭載するか、接続方法として何を選択するかを考える。

 前述のように、サーバー30台のうち10台についてはストレージ負荷が高いとすると、現在の性能を維持するのであれば10台のハードディスクを用意することを考える。ハードディスク単体の性能はそれほど変わらないので、同じ台数を用意すればとりあえず性能は維持できると考えられる。

 転送速度についても考慮が必要である。既存の物理環境がUltra 320 SCSI規格のハードディスクを使用していたと考えると、データの転送速度は320Mバイト/秒となる。ただし、これはあくまで接続経路の転送速度であり、ディスク自体の転送速度は高性能なものでも最大で100M~120Mバイト/秒程度と想定される。回転数が低いハードディスクや、IDE接続のハードディスクを使用しているとさらに転送速度は低くなる。

 また、最大性能は大きなファイルをシーケンシャルに読み書きした場合の性能なので、普通のシステムに多いランダムアクセスではさらに性能が低下する。ランダムアクセスになると数Mバイト/秒の速度が出ればよい方だろう。ここでは仮に5Mバイト/秒の性能が出るとすると、10台で50Mバイト/秒、bpsに直すと400Mビット/秒程度の転送速度が必要となる。