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 NTT東日本は、集合住宅向けのフレッツ光の販売を強化する。集合住宅のカバレッジを高めることで、引っ越し先でフレッツ光が利用できないという理由から解約する利用者を減少させる狙いがある。また、2011年7月24日に迫る放送のデジタル化を大きな商機と捉え、高速のインターネット回線としてだけでなく「地デジ対策」としてのフレッツ光導入をアピールする方針である。

地デジ対策もアピール

 NTT東日本はフレッツ光サービスで、6世帯以上の集合住宅を対象とした「マンションタイプ」を提供している。NTT東日本の営業エリアでマンションタイプの対象となる集合住宅は約83万棟で、このうちの82%となる68万棟に光スプリッターなどの集合装置を導入し、入居者の希望があればフレッツ光を利用可能にする計画である。2009年度は、対象集合住宅81万棟に対してフレッツ光提供済みが55万棟、カバー率が68%だった。「2008年度までは年間10万棟のペースで対応を進めてきたが、2009年度は年間13万棟に高めた。2010年度は今まで以上のペースで導入したい」(NTT東日本)という。

 フレッツ光を利用した地デジ対策としては、NTT東日本とオプティキャストが光波長多重方式で提供する放送サービス「フレッツ・テレビ」と、NTTぷららとアイキャストがIP方式で提供する放送サービス「ひかりTV」の二つがある。

 NTT東日本では、このうち市販のテレビやレコーダーが内蔵するチューナーで地上/BS放送を視聴できる「フレッツ・テレビ」を中心に、地デジ対策としてのフレッツ光を販促したい考えだ。ただし、フレッツ・テレビは提供エリアが都市部に限られていることや、集合住宅の宅内配線が「光配線方式」である必要があるなどの制限がある。そのため、一回線で2チャンネルまでしか同時視聴できないという制限があるものの、提供エリアが広く宅内配線の方式を選ばない「ひかりTV」も柔軟に組み合わせながら、地デジ対策としてのフレッツ光を販促していくという。

 地デジ対策に関連して、集合住宅の宅内配線の光配線化を進める。集合住宅にフレッツ光を導入するには、光ファイバーを各戸に接続する「光配線方式」と、既設の電話配線を使って各戸に接続する「VDSL方式」、構内のLAN配線を利用する「LAN配線方式」などの方式がある。いずれの方式でもIP方式のひかりTVは利用できるが、光波長多重を用いるフレッツ・テレビは、「光配線方式」でしか利用できない。

 NTT東日本は提供サービスに制限のない光配線方式を多くの集合住宅に導入したい考えで、これまでに、細くて摩擦抵抗が少なく屋内配線しやすい光ファイバーの開発や、集合住宅の共用スペースに設置する「光スプリッター」として、電源不要で弁当箱程度の小型の製品を開発するなどの対策を行ってきた。こうした取り組みの成果として、約2年前から新規にフレッツ光を導入する集合住宅の90%以上が光配線方式に切り替わっているという。またVDSL方式でフレッツ光を導入済みの集合住宅は、棟内の利用者が増えると共用部分の設備を増強する必要がある。しかし設備増強によって設置スペース/消費電力とも増えることから、利用者の増加を機会に省スペースで電力不要の光配線方式に切り替えるケースも増えているという。

 こうした結果、フレッツ光対応集合住宅全体に占める光配線方式の割合は、2008年度の11%から2010年度には44%まで一気に高まると見込んでいる。

新築への対応ではデベロッパーとも協力

 集合住宅のフレッツ光対応は、一棟当たりの戸数の多い集合住宅から取り組みを開始している。現在は大規模集合住宅への導入は一巡し、中規模の集合住宅を対象とした導入を進めており、賃貸物件が増えてきているという。集合住宅の共用スペースにVDSL装置や光スプリッターなどの機器を設置する工事費用は、NTT東日本が負担する。そのため集合住宅の管理組合やオーナーにフレッツ光対応の工事を申し込んで、断られるケースはあまりないという。

 また新築の集合住宅については、デベロッパーと協力して設計段階から配線を組み込む対策も進めている。NTT東日本が1社で東日本地域に提供するフレッツ光は、設計仕様や品質が均一であるため、デベロッパーには「地域を問わず設計仕様を統一できる」と好評だという。