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 IPv4アドレス枯渇やNGN(次世代ネットワーク)でのIPv6インターネット接続方式といったテーマが浮上し,にわかにIPv6の注目度が上がっている。これらの影響をまず受けるのは,インターネット接続サービスを利用するコンシューマや,サービスを提供するISP(インターネット接続事業者)である。

 これに対して多くの企業ユーザーは,当面はIPv4アドレス枯渇の影響をあまり受けず,IPv6に対応するための具体的なアクションを起こすのはしばらく先でよいと見ている。

 この考えはあながち間違いではない。ネットワークを利用する様々なセクターの中で,IPv4アドレス枯渇の影響が最も少ないと考えられているのが企業ネットワークだからである。企業ネットワークには,パソコンをはじめとした膨大な数のIP端末がつながっている。ただ,それらに割り当てられているIPアドレスのほとんどは,アドレス枯渇の影響を受けないプライベート・アドレスである。プライベート・アドレスを持つ多数のユーザーは,NAPTによって一つのグローバル・アドレスを共用する。極端な場合では,数千,数万ユーザーが一つのグローバル・アドレスでインターネットにアクセスする。

 だからといって,IPv6対策を先送りしてもよいと結論付けるのは早まった考えだ。企業ネットワークは様々な要素で成り立っており,全体をチェックしてみると,社内ネットワークにある端末以外にも,IPv6対応を考慮しなければならない個所がいくつかあるからだ。実際にIPv6対応を進めるまで行かなくても,IPv6ネットの設計・構築ノウハウがまだ広く蓄積されていない現状を考えると,調査・検討を始めなければならない時期に来ているのである。

具体的なIPv6対応の作業は4種類

 一般的な企業ネットワークは,外部に公開するサーバーを置く外部セグメントと,社内で利用する端末やサーバーなどを置く社内セグメントで構成される。さらに,公開サーバーにアクセスしてくる一般ユーザーも企業ネットワークの重要な要素と考えられる。

 こうした企業ネットワークにおいて,インターネット接続の用途で特に重要なものは,次の三つになる。(a)一般コンシューマから企業の公開サーバーへのアクセス,(b)社員の個人宅から社内サーバーへのリモート・アクセス,(c)社内LANのクライアント端末からインターネット上のサーバーへのアクセス──である(図1)。

図1●必要なIPv6対応の作業は四つある<br>企業のネットワーク環境に応じて,(1)~(4)を組み合わせる必要がある。
図1●必要なIPv6対応の作業は四つある
企業のネットワーク環境に応じて,(1)~(4)を組み合わせる必要がある。
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 これらの用途について,IPv4と同様にIPv6でも通信を実現するためには,以下の四つの場面での作業が重要となる。(1)IPv6サービスの選定・導入,(2)公開サーバーの対応,(3)個人宅の収容/リモート・アクセスの準備,(4)社内LANのIPv6対応──である。

 (1)は,ISPが提供するIPv6インターネット接続サービスの中から,各ユーザーに適したタイプやメニューを選んで導入すること。(2)は,Webサーバーなど外部に公開しているサーバーに対して,IPv6でアクセスできるようにすることである。(3)は,社員の個人宅からIPv6インターネット接続によってオフィスにリモート・アクセスできるようにすることだ。最後の(4)は,社内LANの端末から外部へIPv6でアクセスできるようにしたり,社内LANにある端末自体をIPv6対応させたりすることを指す。

 とはいえ,これらをすべて実現する必要はなく,企業のネットワーク環境に応じて必要あるものだけを選択することができる。例えば,用途(a),すなわち外部からのIPv6アクセスを公開サーバーで受け付けられるようにしたい場合には,(1)と(2)が必要となる。また,もともと公開サーバーはなく,(b)の社員の個人宅からIPv6でリモート・アクセスする環境だけを整えるためには,(1)と(3)が要る。(c)の社内端末から外部のサーバーへのアクセス実現には,(1)と(4)という組み合わせになる。

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