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会議の進行どおりに発言を記録していくような議事録は、あえてムダだと言いたい。それぞれの会議には、それぞれの目的がある。その目的達成を助けるような議事録を作れなければ、議事録の作成時間は大いなるムダとなるはずだ。

後藤 年成
マネジメントソリューションズ マネージャー PMP


 皆さんの仕事場では、議事録を残しているでしょうか。PMOとして仕事をしていると、会議のファシリテートと同じぐらい、会議の議事録をとる機会(仕事)が多く、筆者も議事録の作成をどのように効率化しようかといろいろ悩みました。

 特に最初は、「どの程度まで議事を記録すればよいのか?」「何を言っているのか分からず議事録がとれない!」「議事録にしたくとも、結局、何も結論が出ていない!」など、議事録の作成で苦労した経験があります。今回はPMOとして議事録にどのように向き合い、どのような議事録を作成すればよいか考えてみたいと思います。

会議によって議事録の目的は違う

 さて、議事録をとる目的は何でしょうか。後から「言った、言わない」という問題を防ぐためでしょうか。それとも、決定事項を関係者に周知するためでしょうか。会議の決定事項を再確認するための正式ドキュメントとするためでしょうか。あるいは、会議の中で出た課題やリスクを記録して、次のアクションを促すためでしょうか。

 すべて正しいのですが、会議によって議事録のあるべき姿は変わってきます。「会議の目的」が違うからです。例えば、ステアリングコミッティーのようなプロジェクトの重要事項を決める会議と、プロジェクト内での週次進捗会議、突発的な問題が起こった場合の対策会議では、それぞれ会議の目的が異なります。

 議事録は、この会議の目的に沿うものであるべきです。議事の進行どおりに、機械的に記録するような議事録ではダメです。「この会議の目的からして、どのような議事録を作成すれば会議の目的達成の助けになるか?」という視点で議事録を考えると、議事録として残す情報のポイントが自ずと見えてきます。

 先に挙げた例で言うと、ステアリングコミッティーの議事録は、「何が決定されたのか」が最重要であり、その補足情報として「誰が、どのような意見、懸念点を持っている」という情報をまとめていきます。

 プロジェクト内での週次進捗会議なら、「プロジェクトの進捗を阻害している課題は何か?」が最重要です。その補足情報として「課題」や「リスク」「対応方針」などの情報を議事録にまとめます。

 また、突発的な問題が起こったときの対策会議の場合、「問題に対する原因の究明とその解決策」が最重要となります。補足情報として「解決のためのアクションプラン」や「解決のための役割分担」をまとめるべきでしょう。

 このように、それぞれの「会議の目的」を意識することによって、様々な議論の中から議事録に残すべきポイントを抽出できるようになります。すべての議事録に言えることは、「会議の目的を達成するための『過程の議事』はさほど重要でない」という点です。

 ただし、公官庁や大企業では、「関係者を集めて問題を共有した」という行為そのものが目的の会議も少なくなりません。このような場合は、問題を共有した過程を記録すべきこともあります。

議事録を見た後に何を期待するか?

 ドキュメントを作成するときの鉄則は、「読む側の立場になって考える」ですが、議事録についても同じです。議事録を送るメンバー自身が議事録を読み直し、その後に自分が何をするべきか、はっきりと記されていることが重要です。

 例えば、議事内容から「課題」や「ToDo」「決定事項」「リスク」などを拾い上げ、担当者や期限を議事録の最初に明記しましょう。議事録は、会議の参加メンバーによる合意事項を記載したものです。議事録に明記されたアクションプランや担当者名は、メンバーにアクションを促すきっかけとなります。

 さらに定期的な会議では、前回の議事録に記された「持ち帰り事項」を次の会議の始めに確認すれば、プロジェクトに必要なアクションがとられたかどうかをチェックできます。