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 本特集では、ニフティクラウドの「CPU」「ネットワーク」「ストレージ」の3リソースのベンチマーク・テストを実施した。テスト第1回はCPU編として、仮想CPUの処理性能を検証。10種の仮想マシンを試したところ、下位スペックの仮想マシンでも3GHz動作相当の性能が得られることを確認できた。

 ニフティクラウドの仮想マシンは、「mini」から「large16」まで10種類ある。仮想CPUの仕様はシンプルで、「small」以上はすべて「3GHz動作相当」の処理性能を目安としている。内部的に物理サーバーのクアッドコアXeon 5570(2.93GHz)と仮想CPUを1対1で割り当てているためだ。最下位のminiだけは、1GHz相当の処理性能に抑えてある。

 3GHz動作をうたう仮想CPUの実効性能はどの程度か。仮想CPUに対するベンチマークテストとして、円周率計算の「Superπ」と流体解析計算の「姫野ベンチマーク」を、ニフティクラウドが用意する10種類の仮想マシンで実行した。SuperπはCPUの単純な演算性能を、姫野ベンチマークはメモリーの入出力性能を含めた処理性能を測定するのが目的だ。

 いずれのベンチマークテストもシングルスレッドのテストなので,仮想CPUコア数は測定値に影響しない。仮想マシンのOSは64ビット版CentOS 5.3。SuperπはLinux向けの32ビット版実行ファイルを使用し、姫野ベンチマークはソースコードからビルドした。

最下位の「mini」仮想マシンのみリソースを制限

 まず円周率の104万けたを算出するSuperπテストの結果を見てみる(図1)。このテストでは、かかった時間が短いほど高速だ。

図1●円周率計算を実施する「SuperΠ」のベンチマーク結果
図1●円周率計算を実施する「SuperΠ」のベンチマーク結果

 Superπの測定値はmini以外でほぼ横並び。ニフティクラウドが提示する動作周波数換算の性能指標に準じる結果となった。3GHz動作相当をうたうsmall以上はすべて約11秒で処理を完了。1GHz動作相当のリソース制限のあるminiでは約33秒かかった。測定値は性能指標の差をそのまま反映した値となっている。

 続いて流体解析計算を使う姫野ベンチマークの結果である(図2)。こちらの測定値はMFLOPS換算で、値が大きいほど高速だ。

図2●流体解析を実施する「姫野ベンチマーク」の結果
図2●流体解析を実施する「姫野ベンチマーク」の結果

 Superπの仮想マシン間の差が動作周波数換算の比とほぼ同じだったのに対し、こちらはその差が動作周波数換算の比よりもわずかに大きい。同テストは、流体解析計算に200Mバイト超のメモリーを消費し、メモリーの入出力性能が結果を左右する。small以上の仮想マシンはすべて1Gバイト以上の仮想メモリー容量を持つため問題なかったようだが、512Mバイトしか仮想メモリー容量を持たないnimiではそれが結果に影響したのだろう。

Amazon EC2の3GHz動作相当より高速

 参考までに過去に測定したAmazon EC2のSuperπベンチマークテストの結果と比べると、ニフティクラウドの方が仮想CPU単体の処理性能は高い(表1)。

ニフティクラウドAmazon EC2(参考)
1GHz動作(mini)33.1秒1ECU40.4秒
3GHz動作(small以上)10.9秒2ECU20.3秒
2.5ECU16.8秒
3.25ECU13.3秒
表1●ニフティクラウドとAmazon EC2のSuperπ実行時間
動作周波数を性能指標とするニフティクラウドと、2007年のサーバー向けx86 CPUの1.0~1.2GHz相当とする「ECU」指標を示すEC2の比較。

 EC2の性能指標である「ECU」は、1ECUを「2007年のサーバー向けx86 CPUの1.0~1.2GHz相当」と定義している。EC2で上位仮想マシンが持つ最大3.25ECUの処理性能は、理屈の上ではニフティクラウドのsmall以上と同等かそれ以上になってもおかしくないが、実際に計測してみるとニフティクラウドの3GHz相当より低い結果となった。

 もっとも、ニフティクラウドの仮想CPUが1仮想マシン当たり最大4であるのに対し、EC2は8まで拡張できる。マルチスレッド対応アプリケーションやプロセスを数多く立ち上げる用途におけるスループットの最大値は、2010年5月末時点ではEC2に一歩譲ると言えるだろう。

 次回は伝送遅延が結果を大きく左右するネットワークの処理性能について、仮想LANおよびWAN経由の実効速度を検証する。