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 NTTコミュニケーションズ、インターネットイニシアティブ(IIJ)、ソフトバンクテレコムなどの通信事業者が、クラウド事業拡大に向けてシステムインテグレータに販売攻勢をかけている。自らコンピュータ資源を貸し出すサービスに加えて、販売支援策を相次ぎ拡充。自社データセンターのクラウド基盤を、システム構築の「商材」として使ってもらう。すでに数十社規模でパートナーを獲得した事業者もある。

 クラウドのパートナー企業拡充に力を入れているのがIIJだ。この5月17日に、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「IIJ GIO」のパートナー企業向けポータルサイトを開設。本格的に募集を始めた。中規模のシステムインテグレータなど50社超から申し込みがあった。

 4月30日に「Bizホスティング ベーシック」を開始したNTTコミュニケーションズには、昨秋からの試用期間を通じて約30社のインテグレータが利用を申し込んできた。

 「ホワイトクラウド」を提供しているソフトバンクテレコムも、20社を集めた。日本IBMや新日鉄ソリューションズといった大手が名を連ねる。ニフティやKDDIも、支援策を強化する。

 パートナー施策の内容は、クラウド基盤上でのシステム構築や見積もり・課金といった業務を支援するものだ()。例えばIIJはGIOのインタフェース情報を公開して、パートナー各社が独自の管理機能を開発できるようにした。

図●大手通信事業者のクラウド事業パートナー施策<br>自社のクラウド基盤をシステム構築に使ってもらうため、各種の支援策を強化している
図●大手通信事業者のクラウド事業パートナー施策
自社のクラウド基盤をシステム構築に使ってもらうため、各種の支援策を強化している
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 こうした支援策を用意したのは、システムインテグレータの仕事が、クラウドの利用によって大きく変わるからだ。インテグレータはコンピュータ機器の調達や設計、運用や保守といった基盤に関する作業を、すべて通信事業者に任せることができる。インテグレータの仕事は顧客の要件を基に業務アプリケーションを開発したり、リソースを適切に設定して処理能力を割り当てたりする作業が主体になる。

 クラウド基盤上でシステムを構築するインテグレータにとっての利点は、「これまでに比べて手離れが良い点」(NTTコムでBizホスティング事業を担当する渡辺聡担当課長)である。クラウド基盤サービスを使えば、最短で数分、長くても数営業日で、システム基盤の設計が完了する。IIJの小川晋平マーケティング本部GIOマーケティング部副部長は、「基盤の設計コストを大幅に省けることに利点を感じて、活用を検討するインテグレータが増えている」と話す。