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 仮想マシンサービス「Amazon EC2」と互換性のあるプライベートクラウドを構築するオープンソースソフトが注目を集めている。「Eucalyptus(ユーカリプタス)」だ。2010年4月にはNTTデータが、Eucalyptusを使ったプライベートクラウド構築サービスを開始した。同ソフトの実力を検証する。

 Eucalyptusは、複数の仮想マシンの起動や停止、削除などを一元管理する仮想マシン管理ソフトだ。ヴイエムウェアの「VMware vSphere」に相当すると考えれば分かりやすい。

 元々Eucalyptusは、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校が開発したオープンソースソフトだった。2009年1月には同大学の研究者らが商用サポートを手掛ける米ユーカリプタス・システムズ(Eucalyptus Systems)を設立し、企業に広まり始めた。

 2010年3月には、オープンソースのリレーショナル・データベース・ソフト「MySQL」の商用ベンダーだったスウェーデンのMy-SQL(2008年3月、当時の米サン・マイクロシステムズが買収)でCEO(最高経営責任者)を務めていたマーチン・ミコス氏が、ユーカリプタス・システムズのCEOに就任し、注目を集めた。

 日本ではNTTデータが2010年4月8日、Eucalyptusを使ったプライベートクラウド構築サービス「フルOSSクラウド構築ソリューション」を開始した。これとは別に4月28日、ユーザー組織である「日本Eucalyptusユーザ会」主催のイベントが、日本IBMの箱崎事業所で開催される。日本でも導入機運が高まっている。

 Eucalyptusの特徴は、EC2の管理用API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)と互換性があることだ。EC2の管理用APIとは、外部のプログラムから仮想マシンの起動や削除などの処理を制御するAPIのこと。EC2では標準管理ツールだけでなく、サードパーティー製の管理ツ ールを利用できる。つまり、EC2を利用する際の管理画面から、Eucalyptusが管理する仮想マシンを制御することも可能だ。

 Eucalyptusは、物理サーバーを管理する「ノードコントローラー(NC)」、複数のNCを制御する「クラスターコントローラー(CC)」、管理ツールから命令を受ける「クラウドコントローラー(CLC)」で構成する()。

図●Eucalyptusの仕組み
図●Eucalyptusの仕組み
Eucalyptusは、複数の物理サーバー上の仮想マシン群を一元管理するソフト。ノードコントローラー(NC)、クラスターコントローラー(CC)、クラウドコントローラー(CLC)と呼ばれる三つのサーバーソフトで構成される
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 利用者が管理ツールで「仮想マシンを起動」と命令すると、CCがNCの利用率などをチェックして、どのNCに新しい仮想マシンを起動させるかを判断する。利用者は、どの物理マシンで仮想マシンを起動するかを指定する手間がかからない。