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 日本通信は2010年5月6日、「地域WiMAX推進協議会の推奨を受け、クラウド型の共用CSNサービスを提供する」という発表を行った。日本通信は2010年7月をメドに共用CSNサービスを提供する意向を示している。

 これに先立ち協議会は、2010年3月23日に地域WiMAX事業者間のCSN(Connectivity Service Network)共用化を目指し、共用CSNの提供候補企業による提案説明会を実施していた。CSNは地域WiMAXサービスにおける認証や課金機能を提供するシステムのことを指す。説明会には日本通信ら4社が参加し、地域WiMAX事業者を中心とする協議会の構成員に対して、事前に協議会が公開していたCSNの仕様に基づいた提案を行った。

 4社による提案後、協議会は構成員に対してどの企業を支持するかを問うアンケートを実施した。結果は約2/3が日本通信の提案を支持するというものだった。日本通信の発表はこの結果を受けてのものである。協議会は日本通信以外の3社の取り扱いについて言及していないが、事実上日本通信が共用CSNサービス提供会社に選定されたとみられる。

 今後日本通信によって提供される共用CSNサービスを複数の地域WiMAX事業者が利用することで、事業者は二つのメリットを得られる。一つは、地域WiMAX事業者間でローミングが容易になることである。共用CSNを利用することは、各事業者のユーザー情報を同一のシステムで一元管理することを意味している。その結果ユーザーが自分が契約した以外の事業者のエリアでも認証を受けられるので、ローミングが利用できるようになる。UQコミュニケーションズとのローミングも、この共用CSNを介して実現できるという。

 もう一つのメリットは、CSNの構築・運用コストを削減できることである。例えば新たな事業者が参加する場合でも、先に参加した事業者がローミングの接続試験を実施する必要がない。また、構築に数億円の費用が必要だとされるOMA-DM(open mobile alliance-device management)の仕様に基づく機能も備えるため、コストをかけずにオンライン上でユーザーが利用契約を結ぶ機能を提供できる、UQコミュニケーションズも同様の仕組みを利用している。OMA-DMに準拠した通信モジュールやWiMAX内蔵パソコンを使って地域WiMAXサービスを利用できるようになる。

 CSNを複数の事業者に共同利用するという形態は、すでにKDDIが「地域WiMAXトータルソリューション」として提供している。ひまわりネットワークとキャッチネットワーク、福井ケーブルテレビ、大分ケーブルテレコム、ベイ・コミュニケーションズといった地域WiMAX事業者は、実際にKDDIのこのサービスを採用しており、ローミングも可能になっているという。

 このため、今後共用型のCSNサービスを利用したい地域WiMAX事業者は、日本通信かKDDIのサービスを選択することになる。複数のサービスが存在することで、利用料金や機能面での競争が見込めるという考え方もできる。その一方で、日本通信のサービスを採用する事業者とKDDIのサービスを利用する事業者間でローミングを図る場合は、両社間で何らかの仕組み作りが必要になる。