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 iPadは、電子書籍やゲームアプリなどのエンターテインメントの機能が注目されることが多いが、実は企業が利用する端末としても大きな魅力がある。美しく大きな画面、企業向けアプリを作りやすい環境、5万円弱からという低価格で、導入を決めたり、導入を検討したりする企業が多い。

 東京渋谷区に本社を置くアパレルメーカーのニューヨーカーは、店舗にiPadを導入。商品画像や仕様などをiPadで見られるようにしたり、コーディネート例をiPad上で表示したりするようにしている。また、みずほ銀行は7月から試行的に店舗のロビーにiPadを置いて顧客が金融情報や電子雑誌を読めるようにしたり、窓口で金融情報の説明に利用したりする計画である。こうした企業のiPad活用はますます進みそうだ。今回は、その背景にあるiPadの潜在力を紹介しよう。

企業向けに集中管理やセキュリティ機能を装備

 iPadは壊れやすいハードディスクを内蔵する代わりにフラッシュメモリーを採用しているし、コスト的にも従来型のパソコンに比べてかなり安価になっている。「iPhone Configuration Utility」という無料ソフトを使えば、一括管理もできる。会社規定に沿ったパスワード管理ができたり、利用できる機能を制限できたりする。

 無線LANの設定、VPN(仮想閉域網)と呼ばれる安全な遠隔接続のための設定、電子メールの設定、利用企業が多いグループウエアなどの機能を持つマイクロソフトの「Exchange Server」の接続設定、LDAPと呼ばれる社内共用型アドレスブックの設定や、「CalDav」という社内共用型カレンダー、社内ネットワーク上でのそのユーザーIDの設定などを全社員のiPadに対して一括して行えるのだ。さらにユーザーのホーム画面に社内Webシステムの重要ページを開くためのブックマークアイコンを登録することもできる。

 最初だけは、配布するiPadをいったんIT部門に集めて1台1台設定を施す必要があるが、以降は社員に設定ファイルをメールで送信することでも設定を実行できる。同じツールを使ってユーザーのiPadに不具合があった場合に、どのような操作があったかなど、大まかなログ情報を取得・解析する機能もある。

 iPadにはセキュリティ機能も充実しており、アップルは「iPad in Business」と題されたWebページで、ビジネス用途でのiPadの魅力を解説しているが、そこで「Security overview」という書類を公開している。この書類は「機器そのものの構成と保護」「データの保護」「ネットワーク接続の安全性」「基盤技術の安全性」という4つのパートからなっている。

クラウド端末としてのアプリもある

写真1●Office2HDの画面の例
写真1●Office2HDの画面の例
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 iPadは、サーバーで集中管理した情報の扱いも得意だ。最近では重要なデータをサーバー上に置いて、社員側のハードディスククラッシュの危険を避けたり、他の社員との共同作業をしやすくしたりすることを「クラウドコンピューティング」と呼ぶが、iPadはこのクラウドコンピューティングを念頭に置いた設計となっている。ネットワークとしては、無線LAN(IEEE 802.11a /b/g/n)や第3世代携帯電話(3G)のHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)で、ほぼいつでもインターネットに接続可能。グーグルが提供するクラウドソリューション「Google Docs」に対応したアプリも、「office2 HD」ほか多数ある(写真1)。もちろん、WebブラウザのSafariでもGoogle Docsの書類を開いて編集することができる。これらのアプリを使えば、iPadからGoogle Docsに保存したワープロ書類や表計算の書類を直接開いて編集できるのだ。