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2010年2月に発表された「全国電信業統計公報」によると、中国の携帯電話加入者数は2009年に過去最高の純増数を記録し、7億を超えた。70%以上のシェアを持つ中国移動に対し、第3世代携帯電話(3G)の純増数では中国電信、中国聯通がその差を詰めつつある。最新の統計から今後の方向性を分析する。


町田 和久/情報通信総合研究所 主任研究員

 中国の工業・情報化部(MIIT、「部」は日本の省に相当)は、毎年2月ころに「全国電信業統計公報」を発表している。これは前年の通信関連統計を一部速報値も含めてまとめたものだ。2009年の公報は2010年2月3日に発表された。今回は、最新の2009年公報から携帯電話関連を中心とした興味深い統計を紹介し、現在の中国のマーケット分析および今後の方向性を考えてみたい。

 公報の冒頭では、2009年の中国の通信事業は国家政策である「成長維持、内需拡大、民生充実」の目標や、リーマンショック後の金融危機対応のための各政策措置と同期しながら、3Gネットワークの構築やそのアプリケーションを積極展開したこと、TD-SCDMA方式の産業化を強力に推進したことで、通信分野の構造的転換を進めるとともに通信産業全体の健全な発展を持続できた─と自己評価している。

 確かに2009年は、年頭に再編後の通信事業者3社への3Gライセンス発給から始まり、様々なサービス、アプリケーション、デバイスが生み出された特徴的な一年だった。大量の設備・端末調達などを行った中国が通信分野でもプレゼンスを大きく高めた年であったともいえる。

携帯電話は過去最高の伸び

 2009年の中国通信市場では、携帯電話・固定電話を合計した総加入者数は10億の大台を突破して、10億6107万に到達した。純減が続く固定電話に対し、携帯電話がその伸びを支えており、全体の加入者数に占める携帯電話の割合は7割を超えた。

 年間での純増数は1億615万となり、2009年末時点の携帯電話加入者数は7億4738万となった(図1)。この年間純増数は過去最高の数値であり、単月で1000万加入以上増えた月もあった(ただし最近のインドでは単月1900万加入増という記録もある)。

図1●中国における携帯・固定電話加入者数の推移
図1●中国における携帯・固定電話加入者数の推移
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 これにより携帯電話の普及率は全国平均で56.3%に達し、2008年末から7.8ポイント上昇したことになる。2009年に3Gが始まったこと、スマートフォンの導入が進んできたことを受け、パケットデータ利用者も1億2924万まで拡大しており、この勢いが今後も継続するとみられる。

 ここでインターネット関連の数値を見てみることにしたい。2009年のインターネット利用者の純増数は8600万人。総数では3億8400万人に達した。既に世界最大のインターネット利用者を抱える国となっていることはいうまでもない。それでも100人当たりのインターネット利用者比率は28.9%とまだ3人に1人以下である。

 ブロードバンド利用者は3億4600万人。このうちモバイルインターネット利用者は2億3300万人となり、2009年には1億2000万人も増加したことになっている。利用方法の重複回答はあるものの、利用人口のうち6割以上がモバイルからのインターネットを使っていることになる。3G開始を契機とした傾向の変化がここにも表れているといえる。

 なお、このインターネットに関する統計部分のみ、別機関が実施したサンプル調査がベースになっている。