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 2009年11月に発覚したNTT西日本による顧客情報の不正利用に関連し、被害事業者らがNTT東西地域会社に対して改善策の実施状況の報告を定期的に行うよう求めていた件で、NTT東西は2010年6月上旬に、この定期説明会を開催しない方針を被害事業者らに伝えた。これを受けて被害事業者側は、NTT東西に対し改めて定期説明会の開催を要望するとともに、監督官庁である総務省に経緯を報告し、今後の対応について相談する方針である。

 NTT側は被害事業者への報告について「真摯に対応したい」(NTT西日本)としているが、その方法に関して被害事業者との間で考えに相違がある。特に双方で意見が食い違うのは、説明会を「事業者合同で行うか、個別に行うか」という点と、「定期的に行うかどうか」という点の2点だ。

 被害事業者側は「個別の説明になると、NTT東西に対する影響力が小さい事業者に十分な情報が提供されない可能性がある」(大手キャリア)ことを懸念しており、あくまで被害事業者全体を集めての合同説明会を求めている。一方、NTT側は「(不正利用の経緯とその対策について)詳細を説明しようとすると、被害事業者個別の事業内容に踏み込んだ説明が必要となる。合同の説明会になると、こうした事業情報を他事業者にも説明してしまうことになる」ことから、事業者別の説明が望ましいという考えである。ただし、被害事業者側はこの説明に納得していない。

 もう一つの「定期開催」については、NTT東西が顧客情報の不正利用に対する対策の進捗状況を3カ月ごとに総務省に報告するよう命令/指導されたことを受けて、同様の説明を事業者にも実施するよう被害事業者側が求めているものである。これについてNTT側は「総務省への報告内容については公表する予定がない」とし、この報告を理由とした説明会の開催を否定した。

 NTT側は「4月下旬に被害事業者を業種別に二つのグループに分けて説明会を開催した。被害事業者からの問い合わせに対しては、その都度個別に対応したい」と、被害事業者への対応は引き続き行っていく姿勢を示している。しかし被害事業者側の複数の事業者が「4月下旬の説明は具体的な内容が含まれておらず、報道発表以上の情報がなかった」「合同発表会の要望への回答としてNTT側から示された資料は、取り組みの進捗状況について概要しか説明しておらず、参考にならない」と述べている。双方が説明会に期待する内容には大きな隔たりがあるようだ。