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施策5:陳腐化させない努力

 オープンレガシーはある日突然生まれるわけではない。各社は陳腐化させないために日々努力している(図1)。

図1●オープンシステムを長期間保守し続けられるように各社が実践するコツ
図1●オープンシステムを長期間保守し続けられるように各社が実践するコツ
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 朝日航洋は重要システムの発注時はベンダーに10年間は責任を持って保守することを確約させ、ベンチャー企業のソフトを選ぶときは大手ベンダーの二次請けとしてプロジェクトに参加させる。「一次請けのベンダー内に文書やノウハウ、新技術の使い方をしっかり継承させるために有効」と二川インスペクターは話す。

 寿命優先でサーバーを選んだのが積水化学だ。工場で使用するWindowsサーバーをNECから購入する際に10年保証が付くものを選んでいる。「価格は2倍近いが、ハードを入れ替えるたびに発生するソフトの移行作業やその確認作業の人件費を考えれば安い」(小笹理事)。

 システムが運用フェーズに入ってからもレガシー化させない努力は続く。住友電工では開発言語のinformix-4GLといった過去の標準構成で構築したシステムがまだ稼働している。そこでinformix-4GLのプログラマーを協力会社に確保しているという。また同社は標準構成でOSSを使っているが「シンプルに使って凝った機能には手を出さない」(奈良橋部長)。更改しやすいシステムを維持する工夫といえる。

 製品のバージョンアップができなくて塩漬けせざるを得ない場合、「外部のネットワークから隔離したネットワーク内でしか使わないようにする」(積水化学の小笹理事)といったセキュリティを重視した対策が必要だ。

 朝日航洋はInternet Explorerのパッチの適用が影響して整合性が取れなくなったため2008年にNotes R5をあえて塩漬けにしたが、「重要なセキュリティホールやバグを修正するパッチだけは適用する」とルール化した。

 そもそもインフラや開発言語に縛られなければ陳腐化も無い。これを実現する開発技術を採用したのが鈴廣蒲鉾だ(図2)。ウルグアイのアルテッチ社の開発・実行ツール「GeneXus」を2006年から使っている。

図2●鈴廣蒲鉾本店はインフラに縛られない開発技術を採用ソースコードを自動生成するGeneXusを使うことで内製化も併せて実現できた
図2●鈴廣蒲鉾本店はインフラに縛られない開発技術を採用ソースコードを自動生成するGeneXusを使うことで内製化も併せて実現できた
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 GeneXusはテーブルや画面、さらに「イベント」と呼ぶ処理内容を設計すれば、VBやJava、Rubyなどのソースコードと各種DBソフトのテーブル、画面を自動生成する。こうした自動生成機能があるため、OSや開発言語を自由に選べ、その変更も容易になる。鈴廣蒲鉾は現在Windowsサーバーを使っているが「コスト削減を目的にLinuxに変える可能性もある。切り替えは容易だろう」と吉田部長はみる。