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 首都圏の鉄道系広告代理店など11社で構成するデジタルサイネージ推進プロジェクトは、2010年6月21日から活動を始めた。内容は新宿や渋谷、池袋などJR東日本や小田急電鉄、東京急行電鉄(東急電鉄)などの20駅に27台のデジタルサイネージ端末を設置し、運用するというもの。目的は、デジタルサイネージにおける効果的な表現手法および効果測定手法の確立である。

 設置するデジタルサイネージ端末は52インチ型のディスプレイを備えており、ブイシンクが開発した。コンテンツ配信システムはCOMEL製を採用している。デジタルサイネージ端末には効果測定用のカメラを内蔵しており、通行人の数、ディスプレイを見た人の数を計測できる。男女や年代も区別できる。

 JR東日本や東京メトロ、東急電鉄は電車の車内のデジタルサイネージ端末だけでなく、駅周辺にもデジタルサイネージ端末をすでに設置している。なぜ共同で実証実験をするのか。その点について、デジタルサイネージ推進プロジェクト事務局であるジェイアール東日本企画の宮本守氏は、「駅に設置したデジタルサイネージの成功例はまだない。共同で実験することで、1社で取り組むよりも早く成功のノウハウを得られる期待がある」と説明した。

 強制視認性が高い電車の車内とは異なり、駅周辺に設置するデジタルサイネージ端末は成功のハードルが高い。例えば駅は移動の最中の経由ポイントであり、端末の前に立ち止まって見てもらえる可能性が低い。さらに通行人は5秒ほどでデジタルサイネージ端末の前を通り過ぎてしまうため、商品名や価格を最後に伝えるといった比較的長時間のテレビコマーシャルのような表現手法は使えない、といった点である。

 こうした点を克服するために、1年をかけて試行錯誤をする。表示するコンテンツは、15秒を1枠として6枠、さらに毎時0分と30分に表示する時報コンテンツで構成している。この6枠のうち1枠と、時報コンテンツの枠で表現手法を試す。残りの5枠は広告枠として活用し、実証試験費用の一部にあてる。

 表現手法を試すのに用意した1枠はまだ利用していないが、広告と自作のコンテンツを組み合わせた動画を考えている。例えば夏の暑い時期にグラスに氷が入る映像と「カラン」という音声を組み合わせて人の目を引き、最終的に飲料が注がれるといったコンテンツである。これ以外に、街中に設置してあるデジタルサイネージと同じコンテンツを表示する、駅で開催されるイベントとコンテンツを連動させるといったアイデアもあるという。

 時報コンテンツの枠はすでに利用を始めており、現在は任天堂と協力してマリオなどの有名キャラクターと連動させているコンテンツを表示している。表現手法の効果測定にはカメラを利用する。さらにコンテンツを見てどのように感じたかという印象面についてはアンケートを実施して調査する予定である。