1. 新システムの連携対象となる既存システムの調査と連携部分の開発に手間取った
2. 稼働延期と増員で対応するが,プロジェクトの雰囲気が悪化してしまった
3. 「本音を語り合う場」を設けて現場の風通しを良くし,解決策の立案に生かした

 「プロジェクトの最中,もうダメだという挫折感を味わうことが何度もあった」。不動産情報提供会社の大手,アットホームの原雅史氏(情報システム部 システム開発室 Bメディア開発グループ グループ長)はこう語る。

 原氏がリーダーとして率いたのは,Webシステム「ATBB」の開発プロジェクトである。不動産会社の約3万5000店舗に250万件以上の物件情報を提供する。同社のシステム開発プロジェクトとしては過去最大級の規模だ。

 原氏の「挫折感」という言葉が示すように,プロジェクトは途中で困難な状況に陥った(図1)。システムの稼働開始は当初想定していた時期より1年近く延びており,開発費用も当初の約3~4倍に増大した。

図1●アットホームの不動産情報提供システム「ATBB(アットビービー)」開発プロジェクトが直面した問題と解決のポイント
図1●アットホームの不動産情報提供システム「ATBB(アットビービー)」開発プロジェクトが直面した問題と解決のポイント
既存システムとの連携部分の開発に時間と手間がとられたことや,相次ぐ要件変更によるメンバーの士気低下が問題となったキ
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 スケジュールとコストのそれぞれが想定を大幅に上回った理由は,既存システムとの連携部分の開発作業に,予想以上の時間と手間が取られたからだった。