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by Gartner
モニカ・バッソ リサーチVP
志賀 嘉津士 リサーチディレクター

 携帯電話網などを使って電子メールを使用する“無線メール”のユーザー数は、2014年末までに全世界で10億人に達するとガートナーは予測する。さらに電子メールは社内ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に統合され、業務連絡の主役は、電子メールから社内SNSに変わる。

 無線メールとは、ユーザーが携帯機器を使用して、無線ネットワーク経由で電子メールを利用することと定義している。2010年現在、業務用無線メールを利用しているアカウント数は、全世界で8000万以上に及ぶ。大企業、中小企業も組織を挙げて導入に取り組んでおり、アクティブユーザー数は6000万人になるもようだ。

 無線メールは当初、企業の経営層を中心に広がった(訳注:米国では携帯電話での電子メールの使用は「BlackBerry」などのスマートフォンから始まった)。生産性の向上が認められた結果、現在はあらゆる社員に広がった。

 2010年現在、業務用無線メールの導入は、企業にとって優先度の高い課題になっている。従業員の40%が、社外でも電子メール環境を必要とする「モバイルワーカー」になろうとしているからだ。北米や欧州では、ほとんどの中堅・大企業が業務用無線メールを導入しているが、実際に利用している従業員の割合は5%以下にとどまっている。

 業務用無線メールを実現するためには、企業のファイアウォール内でソフトウエアゲートウエイを運用する必要がある。ほとんどのゲートウエイが、「Microsoft Exchange Server」に対応しており、携帯機器の管理機能やセキュリティ機能を備えている製品もある。

 無線メールは今、社内SNSやコラボレーションソフトに統合されようとしている。業務連絡を行う上で、社内SNSが電子メールを補完しつつある。さらにガートナーでは2014年までに、ビジネスユーザーの20%において、最も利用されるコミュニケーション手段が、電子メールから社内SNSに置き換わると予測する。

 多くのユーザーが現在、コラボレーションや情報共有の手段として、携帯機器を使いたがっている。社内SNSには今後、電子メールだけでなく、インスタントメッセージングやVoIP、プレゼンス機能(在席表示機能)などが統合されるだろう。

 米マイクロソフトや米IBM、米グーグルが提供しているクラウドベースの電子メール/コラボレーションサービスも、携帯機器に対応している。現在、クラウドメールを携帯機器から利用するユーザーはごくわずかだが、3~5年で主流になるだろう。

 なお2009年の段階では、全電子メールアカウントの3%が、クラウドメールだった。2012年末までにこの割合は、10%に達する見込みだ。BlackBerryを販売するカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)なども、クラウドメール事業者との提携を模索している。

 無線メールを実現するためのソフトウエア製品やサービスは互換性がより向上しており、2012年までに製品/サービスの乗り換えが非常に容易になるだろう。その結果、無線メールはより多くユーザーに導入されるようになり、価格も下がる。無線メールはコモデティー化し、どのようなデバイスでも利用可能になる。