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 就職を希望している学生には、厳しい状況が続いている。文部科学省が2010年8月に発表した「学校基本調査速報」によれば、2010年3月の大学(学部)卒業生で、進学も就職もしていない人は約8万7000人。前年度より約1万9000人増加した。卒業者全体に占める割合は前年比で4.0ポイント上昇し、16.1%にのぼっている。

 そうした厳しい現状を前に、8月2日に日経BPが開催した大学生・大学院生向けの「IT業界研究ワークショップ」には、20人以上の学生が参加した。この勉強会は、就職活動を控えた学生向けに、IT業界への理解を深めてもらうのがねらい。記者による業界解説とともに、現場で働く若手SEに、仕事の実態について「学生の目線」で話をしてもらった。

写真1●「IT業界研究ワークショップ」には、20人以上の学生が参加。日経BP社の日経コンピュータ 編集プロデューサー星野友彦氏の話に、熱心に聞き入っていた
写真1●「IT業界研究ワークショップ」には、20人以上の学生が参加。日経BP社の日経コンピュータ 編集プロデューサー星野友彦氏の話に、熱心に聞き入っていた
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 「ITは社会の神経系」。日経コンピュータ 編集プロデューサーの星野友彦氏は、NTTデータの山下徹社長によるこの例えを学生に向けて紹介。「今の社会はITなくしてあり得ない。IT業界はやりがいに満ちた仕事に溢れている」と語った(写真1)。

 一方で、コンピュータ関係の仕事、特にシステムエンジニア(SE)については「長時間労働が常態化しており、辛い職種である」というネガティブなイメージがぬぐえない。海外、特に中国やインドでは他の職種よりも高収入が得られるうえ、若くても大きな仕事ができるということで、学生には人気が高い職種である。国それぞれの事情があるので一概には比較できないが、それでも非常に対照的だ。

 実際のところはどうなのか。勉強会ではNTTデータの若手社員2人を招き、システム開発の現場の雰囲気や、仕事の実態を学生に語ってもらった。

写真2●NTTデータ法人システム事業本部テレコムビジネスユニットの小田嶋千絵さん
写真2●NTTデータ法人システム事業本部テレコムビジネスユニットの小田嶋千絵さん
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 同社の法人システム事業本部テレコムビジネスユニットに所属する小田嶋千絵さん(写真2)は、「以前、仕事の納期が重なった時には、『女の子にここまでやらせるのか』とも思った」と苦笑混じりに話す。だが、それは慣れない仕事が集中した一時のこと、とも付け加える。「慣れてくれば、忙しい中でも自分の裁量でやりくりできる」と続ける。

 小田嶋さんはある大手通信会社におけるサービスの申し込み管理、顧客情報、料金情報管理のシステムを担当している。「一緒に働いている人たちは協力的で助かっている。私も含めて職場には仕事と趣味の両方を楽しんでいる人が多い」(小田嶋さん)。

 ある女性の学生は、小田嶋さんに「女性にとって、SEという仕事の雰囲気や働きやすさを教えてほしい」という質問を投げかけた。小田嶋さんは「私のいる職場は女性の社員が多い。特に女性による不都合さを感じることはない。むしろ男性社員は女性社員に対してとても気を遣っている」と説明する。

 また小田嶋さんは「将来、結婚をして母親になっても仕事を続けたい」という自分自身の意向を紹介したうえで、NTTデータが育児休暇をはじめとした女性社員向けの支援策を用意していることに触れた。NTTデータではダイバーシティ(多様性の尊重)の考え方を社内に浸透させるべく、さまざまな活動を推進している。小田嶋さんは最近、女性向けのダイバーシティ研修に参加したという。「母としての役割と仕事を両立している先輩社員の話が聞けた。自分のロールモデル(行動の指針となる人材像)が見えてきて良かった」と語る。