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アビームコンサルティング
シニアコンサルタント
菊本 善夫

 会計の専門家ではない人たちに、IFRS(国際会計基準)基準書(IFRS国際財務報告基準、中央経済社、2009年)を少しでも身近に感じてもらい、効率よく学んでいけるように、基準書の読み解き方を説明する本連載も第4回を迎えました。

 第1回では基準書を読み解くにあたって知っておきたい概念を、第2回第3回では、三つのステップに区分して基準書の全体像を説明しました。これで基準書を読み解くにあたって必要な基本を学ぶことができました。

 今回からは、いよいよ基準の中身を読んでいきます。取り上げる基準は、IAS第18号「収益」です。

 数あるIFRS基準の中でも、IAS第18号はぜひ押さえておきたいものの一つです。企業が商品の販売やサービスの提供を行うことで得られる、売上の計上について定める重要な基準であるからです。加えて、IAS第18号の規定は日本の会計実務と乖離(かいり)が大きいこともあり、業務プロセスや情報システムに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 以下、連載第1回から3回までで説明してきたことを基礎として、IAS第18号の概要を紹介します。同時に、基準書を効率的に読み解くための方法を紹介していきます。説明する方法はIAS第18号に限らず、他の基準を読む際も共通して使えるものです。

基準本編と付録で構成

 まず、IAS第18号の目次を見てみましょう。図1のような項目で構成されています。

図1●IAS第18号「収益」の構成
図1●IAS第18号「収益」の構成

 第3回のステップ2で、それぞれの会計基準は会計処理のルールを定める「基準本編」のほか、結論の根拠や付録など「基準本編を補足する部分」があると説明しました。IAS第18号の場合、基準本編のほかに、補足する部分として最後に付録がついています。付録の冒頭には「基準書の一部を構成するものではない」という記述があります。つまり、この付録はルールを定める基準そのものではないことがわかります。

 付録のページ右上部には「IE」の記号が付いています。第3回のステップ2で確認したように、IEは「Illustrative Examples」の略で、この付録は基準本編の内容を補足する例示であることを表します。