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 パブリック・クラウドのうちIaaS[注1]型サービスを利用する場合,プライベート・クラウドとのシステム連携に特別な仕組みは必要ない。IaaS型では原則として,クラウド上で好みのミドルウエアを動作させられる。既存のEAI(企業アプリケーション統合)ソフトやRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)の同期機能をそのまま使って,システム間の連携を実現できる。

PaaS型のパフォーマンス向上などの目的で利用

 一方のPaaS[注2]型の場合,クラウド上で事業者独自のミドルウエアが動作する。このため,パブリック・クラウドとプライベート・クラウド間で密な連携をするには,専用のシステム連携サービスが必要になる場合がある。

図1●パブリック・クラウドとプライベート・クラウドを連携させる例
図1●パブリック・クラウドとプライベート・クラウドを連携させる例
米Microsoftの「Azure」を使ってASPサービスをパブリック・クラウド環境に移行した例。個人情報などのデータはプライベート・クラウドに置き,パブリック・クラウド上にはそのキャッシュを置いて,両者のRDBMS間でデータを同期させている。
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 例えば,既存のASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)サービスを米MicrosoftのPaaS型サービス「Azure」上に移行したある日本の事業者の事例がその典型だ(図1)。

 このASP事業者は,システムの拡張性を高めるために,WebシステムをAzureに移行させたが,個人情報などのデータは自社のデータセンターで安全に管理したいと考えた。しかしアプリケーションをAzure上で動かし,インターネット経由で事業者のデータセンター上のDB(データベース)にアクセスするのでは,性能が出ない。

 そこで,AzureのRDB(リレーショナルデータベース)サービス「SQL Azure」と,事業者のデータセンターで動く「SQL Server」間のデータ同期機能を利用することにした。SQL Azureでは必要に応じて,SQL Serverからデータを取り出しキャッシュとして利用する。利用が終われば,SQL Serverに書き戻す仕組みだ。

 PaaS型サービス向けではほかに,Webサービス・ベースのシステム連携サービスもある。Azureでは「AppFablic」(.NET Frameworkベース)が提供されている。セールスフォース・ドットコムの「Force.com」向けには,インフォテリアの「ASTERIA On Demand」やテラスカイの「SkyOn Demand」(アプレッソの「DataSpider」がベース)などが利用可能だ。2社がサービスとして提供するEAIソフトは,パッケージ・ソフトとしても入手できる。