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by Gartner
マイケル・スミス リサーチVP
ガベッツィー・バートン VP兼最上級アナリスト
堀内 秀明 マネージングVP

 先行き不透明な経済情勢のなか、企業の経営者は経営判断の役に立つ、未来を見わたせる情報源を求めている。ガートナーが提唱している「パターン・ベース・ストラテジー(PBS)」は、まさにこのような経営者のニーズに応えるものだ(関連記事)。

 PBSは、企業やITリーダーが、新しく生まれつつある「ビジネスパターン」を探し出し、モデル化し、適応するための方法論だ。ビジネスパターンとは、ビジネス上の機会や脅威を示唆するような、繰り返し表れる要素である。これらのパターンは、以下の三つの情報ソースから導き出せる。

(1)社内または社外におけるビジネス活動
(2)市場や社会で発生する出来事
(3)人々やプロセス、情報、テクノロジーの変化

 PBSを実現する決め手となるのは、「パフォーマンス駆動型の企業文化」だ。これは、経営者が人、プロセス、テクノロジーの三つに着目し、そのパフォーマンスを計測しながら、組織内の戦略的なリソースの配分を調整したり統合したりする企業文化である。

 従来のパフォーマンスマネジメントでは、明確で測定できるパフォーマンス指標(これを「結果指標」と呼ぶ)にのみ着目していた。結果指標では、企業や部門、個人が与えられた目標に対してどの程度の成果を挙げたかは測定できても、これから何が起こるか知ることはできなかった。

 PBSを実現するためには、既存のパフォーマンス指標を拡張して、「先行指標」「超先行指標」を計測する必要がある。結果指標とは例えば、売り上げや利益のことであり、先行指標とは、Webサイトのトラフィックや広告のヒット状況、営業のアポイントメント動向などを指す。超先行指標とは、製品やサービスに関する「マーケットのノイズ」のことで、ツイッターやブログ、ネット掲示板の書き込みなどを指す。

 このようなマーケットのノイズを計測することで、企業は自社にとって機会になったり脅威になったりする変化の予兆(弱い場合も強い場合もある)をつかむことができる可能性がある。

 しかし利用可能なデータやノイズを先行指標としてやみくもに測定しても、情報過多が深刻化するだけである。測定する価値がある先行指標のソースには、「財務上の結果に先立つ企業内部におけるビジネスプロセス」と「財務上の結果に先立つ企業外部における経済イベント」の二つがある。

 企業内部におけるビジネスプロセスとは、例えば製品開発のことだ。将来的な売り上げは、製品開発が行われて初めて実現できる。企業外部における経済イベントとは、市場の動向や、株主などステ ークホルダーの意向である。どのような指標を計測すべきかは、企業が所属する産業や、企業の戦略、ステークホルダーの種類によって異なる。

 また、結果指標と先行指標の関係性も定義する必要があるため、指標の選定作業は、経験豊富なスタッフが慎重に行う必要がある。先行指標の有用性も継続的に検証すべきだ。