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 前回(連載第2回)に引き続き、HTML5開発者コミュニティーの管理人を務める白石俊平氏に、HTML5の基本を解説してもらう。今回は、仕様の標準化プロセスの実態を解き明かすことによって、HTML5がいつごろから本格的に利用できるようになるかを分析する。

 HTML5がもたらす新機能によって、Webはどう変わるのだろうか。企業の一般的なホームページのように、基本的に動きのない静的な「Webサイト」と、GmailやGoogle Mapsなど、表示内容が動的に変化する「Webアプリケーション」で、そのインパクトは異なる。

Webサイトの構造を明確化

 静的なWebサイトについては、ページの構造を示すHTMLコードの可読性やメンテナンス性などが向上する。さらに、より検索されやすいWebサイトを、容易に作成できるようになる。

 こうした変化が起こる理由は、HTML5で文書の論理構造を示すタグが多数追加されるからだ。「章」「節」などを表す「<section>」タグなどである。こうしたタグを用いると、Webページの構造を明確に表すことができる。人間だけでなく、検索エンジンなどのプログラムにとっても理解しやすくなるため、検索されやすいWebサイトを作ることも、より容易になるというわけだ。

 動的なWebアプリケーションについては、前回(本連載の第2回)掲載した表1でも示した通り、これまでHTMLとJavaScriptだけでは実現が困難だった様々な機能を、容易に実現できるようになる。現在もマウス操作やリアルタイム通信といった機能を可能にするWebアプリケーションは増え始めているが、開発者やIT(情報技術)企業ごとに独自の手法で実装しているのが実情だ。

 米アドビシステムズの「Flash」や米マイクロソフトの「Silverlight」といった、Webブラウザーのプラグインを使う方法もある。HTMLよりも高機能なWebアプリケーションを開発できる半面、プラグイン独自の開発スキルが必要になったり、有償の開発ツールを別途購入しなければならなくなったりといった制約がある。

 HTML5を使うと、高度な処理を実現できるWebアプリケーションを、標準技術のみで開発できる。開発手法が標準化されることで、Webアプリケーションの普及が進むほか、機能自体の品質も高まることが期待できる。