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 中国経済論や製品・技術開発論を専門とする著者らによる「携帯電話産業から何を学べるのか」をテーマにした解説書である。サブタイトルからも分かるように、日本の携帯電話メーカーが世界市場で活躍できずに「なぜ孤立したのか」という分析に力を入れている。膨大な量の文献を引用するなどして、端末の開発、販売形態から部品の供給までを整理した。国内外の携帯電話産業の現状をほぼ網羅している。

 最終章では「日本の携帯電話メーカーの進む道」として、今後の活動指針が示されている。いわく「要所要所で強みを持つ企業は特定の分野に絞り込んで探索を進めて活躍できる余地が大きくなっている」などだが、膨大な資料を並べた割には、楽観的かつ簡単にまとめすぎているように思えた。同じような外部からの指摘は、ここ数年間繰り返されているが、何らかの決断を下して事業が好転しているメーカーはほとんどない。

携帯電話産業の進化プロセス

携帯電話産業の進化プロセス
丸川知雄/安本雅典編著
有斐閣発行
3990円(税込)